楽曲販売の種類は3種類
ストック型 | スキル販売型 | 配信サブスク型 | |
特徴 | 曲が売れると利益 | 納品すると利益 | 再生されると利益 |
手軽さ | 〇 | △ | 〇 |
審査 | あり | なし | ある場合がある |
売上発生難易度 | 難しい | 比較的簡単 | 難しい |
求められるクオリティ | 高い | 普通 | 高い |
審査 | あり | なし | なし |
著作権 | 譲渡しない場合が多い | 譲渡 | 譲渡しない |
原盤権 | 譲渡しない | 譲渡 | 譲渡しない |
自分の知名度 | あまり影響なし | 若干影響 | かなり影響する |
デメリット | 他の作品に埋もれる | 実績がない場合は単価が安い | 他の作品に埋もれる |
継続した売上 | 〇 | △ | 〇 |
トラブル発生率 | 低い | 普通 | 低い |
手数料 | 50%前後 | 5〜20% | 50〜70% |
楽曲販売サイトには、「ストック型」「スキル販売型」「配信サブスク型」の3種類があります。
① ストック型:楽曲の使用権を販売
楽曲販売の中でも一般的なのが、ストック型です。
ストック型は、楽曲販売サイトに曲を登録しておき、購入される度に売上が発生する販売方法を指します。
一度素材が売れると、安定して売上が発生しやすくなるのが、ストック型のメリットです。
ストック型の場合は、サイト内で需要がある音楽の傾向を分析し、その需要に対して素材を作る必要があります。
特に動画制作用の素材を販売しているストック型のサイトだと、需要のない素材はまったく利用してもらえません。市場分析をしたうえで最適な音楽を制作できると、ストック型で大きな成果を出せるでしょう。
② スキル販売型:スキルを販売
スキル販売型はスキルシェアサービスに登録し、楽曲制作のスキルと実績を提示し楽曲制作を受注することで対価を得る方法です。
既に実績がある人にとっては一番簡単に稼げる方法です。
アレンジやミックスに関する知識も豊富にないと、依頼主に満足してもらうのは難しいでしょう。
売上が制作ごとになるので、1曲が継続して売上を生み出さない点もスキル販売型のデメリットと言えます。
③ 配信サブスク型:再生回数毎の使用権を永続的に販売
配信サブスク型は、音楽の定額制サービスに楽曲を登録し、再生回数に応じて報酬が支払われる成果報酬型です。
主なメリットは下記の通りです。
- 著作権(人格権)を保持した状態でお金を稼ぐことが出来る
- バズれば大きく稼げるチャンス
- ある程度再生されることで実績として提示した時に信用されやすい
副業におすすめの楽曲販売サイト
ココナラ | BOOTH | Audiostock | カラーミーショップ | Shopify | |
---|---|---|---|---|---|
タイプ | スキル販売 | ストック | ストック | ストック | ストック |
ジャンル | オールジャンル | ゲーム音楽や効果音 | オールジャンル | オールジャンル | オールジャンル |
手軽さ | ◎ | ◎ | 〇 | △ | △ |
人気ジャンル | 楽曲制作 | ゲーム、ボカロ系 | 動画制作 | 特になし | 特になし |
販売手数料 | 22% | 5.6%+22円 | 40〜60% | 6.6%+30円 | 5% |
基本利用料 | 無料 | 無料 | なし | 無料 | 月額660円~ |
有料プラン | なし | なし | なし | 月額4,950円〜 | なし |
審査 | なし | なし | あり | なし | なし |
日本語対応 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
価格設定 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
実績影響 | あり | あり | なし | あり | あり |
集客 | ◎ | ◎ | ◎ | 自分 | 自分 |
※1ドル=132円で計算
楽曲販売サイトの種類が把握できたら、サイトごとの比較をしていきましょう。
まずは、全販売サイトの中でも特におすすめできるものを5つ紹介します。
それぞれ還元率や販売手数料、利用するメリットなどが異なります。
【スキル販売型】ココナラ:得意ジャンルで勝負できる
ココナラは、自分のスキルを掲載して、依頼主に購入してもらえるサービスです。
「楽曲制作します!」「アレンジ・リミックスお受けします」といった形で、ココナラ内に自分のスキルを出品できます。
ココナラのメリットは、料金を自分で決められることです。
スキルに対して自分で値段を付けて売り出すので、自分が希望する金額でスキルを購入してもらえます。
音楽関連のスキルがある方は、さまざまなスキルを出品できるのもメリットです。
楽曲制作だけでなく、カラオケ作成、楽譜作成、音源のミックスなど、音楽制作に関わるあらゆるスキルを出品可能です。
DTMに関する知識が豊富な方であれば、複数のスキルを出品できるので、依頼も受けやすくなるでしょう。
【ストック型】BOOTH:アニメ・ボカロ系が人気の楽曲販売サイト
BOOTHは、創作物の出品・販売ができるマーケットプレイスです。
コミックマーケットのネット版のようなイメージで、アニメやボカロ系が人気のサイトです。
アニソン、ゲーム制作用の音楽や効果音、歌ものなど幅広く取り扱っているのがBOOTHの特徴です。
自作のアルバムを販売している方や、コアなジャンル・作曲家に関するコンテンツを販売している方もいます。
大手楽曲販売サイトと比べると競合が少ないので、ニッチなジャンルが好きな方にはおすすめです。
- アニソン
- ボカロ
- アイドル
- ゲーム等
BOOTHでいくら稼げるの?半年間の結果
ホイポイマン
ただし、普通の人は難しいと思います。
マーケティングに自信がある人なら稼げますが、それ以外の人は難しいでしょう。
- 実績がある人
- ネット上でちょっと有名な人
- マーケティングに自信がある人
上記に当てはまらない場合は、まったく稼げません。
【ストック型】Audiostock:利用しやすい日本の楽曲販売サイト
Audiostockは、BGMや効果音などの素材を販売できるサイトです。
日本の会社が運営するサービスなので、利用規約も含めてすべて日本語になっています。
和風楽曲や日本語の歌でも人気になりやすい点も、Audiostockのメリットです。
歌入り楽曲をたくさん制作したい方や和風の曲を作るのが得意な方には、ぴったりの販売サイトと言えます。
【ストック型】Shopify:Spotifyとも提携しているプラットフォーム
Shopifyは、カラーミーショップと同じく、自分でネットショップを開設できるサイトです。
また、Shopifyは非常に人気のあるサイトなので、利用に際して分からない点があってもネットで情報が得やすいのも魅力です。
しかし、カラーミーショップのように無料では利用できません。
維持費をできるだけかけたくない方は、カラーミーショップのほうがおすすめです。
副業におすすめの楽曲配信サブスクサイト
Artlist | Epidemic Sound | TuneCore | Bandcamp | Amazon Prime Music | BIG UP! | |
---|---|---|---|---|---|---|
タイプ | 素材販売 | 素材販売 | 一括管理 | 楽曲販売 | 楽曲販売 | 一括管理 |
マルチプラットフォーム | × | × | 対応 | × | × | × |
楽曲 | △ | △ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
BGM | 〇 | 〇 | △ | × | × | × |
効果音 | 〇 | 〇 | × | × | × | × |
還元率 | 変動制 | 50%〜 | 100%※注意点あり | 80-85% | 非公開 | 70%〜 |
販売手数料 | なし | なし | 非公開 | 4〜7% | 15%前後 | 30%〜 |
基本利用料 | なし | なし | あり | なし | 非公開 | 990円/年〜 無料プランあり |
日本語対応 | △ | × | ○ | △ | ○ | ○ |
楽曲販売サイトの中には、前述した「サブスク型」のものも多くあります。
サブスク型の場合、再生回数に応じた収益を受け取るのが一般的です。
主要な楽曲販売サイトにおける、1再生ごとのおおよその収益額は、以下のようになっています。
楽曲販売サイト | 1再生ごとの収益額(目安) |
Apple Music | 1.0円 |
Spotify | 0.3円 |
YouTube Music | 1.7円 |
Amazon Music Unlimited | 1.1円 |
Amazon Prime Music | 0.4円 |
LINE MUSIC | 0.8 円 |
サブスク型の場合は、再生数ごとに報酬を受け取るのが一般的です。
サイトによっては、1曲ごとの販売とサブスク販売のどちらもできるサイトもあります。
以下では、サブスクに対応している楽曲販売サイト5つを紹介しますので、ご覧ください。
【還元率100%】TuneCore:Apple Music,Spotifyなどへ一括配信
TuneCoreは、さまざまなサブスクサービスに楽曲を配信できるサービスです。
- Apple Music
- Spotify
- Prime Music
対応できる配信サイトは30種類以上に及び、国内外のさまざまなサイトで楽曲を配信できます。
複数サイトでの楽曲配信作業を一括管理できるので、さまざまな各楽曲配信プラットフォームで楽曲配信をしたい人にピッタリです。
利用料金は下記の通りです。
- シングルリリース1年契約だと年間1,559円
- アルバムリリース1年契約だと年間5,225円
有料サービスですが、各楽曲配信プラットフォームの手数料を除いた収益を100%還元してくれる のが魅力です。
楽曲再生に関する解析機能もあり、自分の曲がどのように聴かれているのか、どのサイトで人気なのかなどが明確に分かります。
副業としてしっかり稼ぎたい方にも、おすすめのサービスです。
【還元率変動制】Artlist:BGMや効果音の配信に特化
Artlistは、動画制作用の素材を販売しているサイトです。
音楽素材だけでなく、写真や動画素材なども幅広く扱っており、動画編集者の間で人気が高まっています。
Artlistの魅力は、サイトのオススメ機能が充実しており、オススメ作品に選ばれればたくさんの人に利用してもらえる点です。
また、新しいサービスではあるもののユーザーが増加しているので、今から楽曲を投稿しておけば、将来大きな収益に繋がるかもしれません。
一方で、サイトの一部が日本語に対応していない点には注意が必要です。
還元率や手数料に関しては一般公開されていませんが、1年間のArtlistの売上に対して、再生数に応じて還元率が設定され、その金額が振り込まれます。
【還元率50%〜】Epidemic Sound:楽曲数が豊富で人気の販売サイト
Epidemic Soundも、Artlistと同様に動画制作用の素材を扱っているサイトです。
Artlistよりも歴史が長く、コンテンツ数が充実しており、ユーザー人気も安定して高いサービスです。
Epidemic Soundの魅力は、動画制作素材系のサイトとしては還元率が高い点です。
また、長期サービスでユーザー数も多いと考えられるため、人気になれば多くの人に利用してもらいやすいのも魅力でしょう。
しかし、掲載されている楽曲数が多いために、ほかの楽曲に埋もれてまったく利用してもらえない可能性もあります。
2023年現在は音楽素材だけで35,000曲以上が登録されており、これだけ多くの曲の中で人気になるには、高い作曲・アレンジスキルが必要です。
これから楽曲制作をスタートする方だと、クオリティ不足で人気が出にくい可能性もあると考えておきましょう。
【還元率80-85%】Bandcamp(バンドキャンプ):アメリカの楽曲販売サイト
Bandcampは無料で利用できるアメリカの楽曲販売サイトです。
決済手数料はかかりますが、売上の80%前後が受け取れるので、再生数が多くない方でも売上を上げやすくなっています。
一方で、アメリカのサイトであるため日本語に対応していない点には注意が必要です。
まったく英語がわからない方だと、アカウント作成や楽曲審査などで困る点も少なくないかもしれません。
しかし、昨今は翻訳技術も発達してきたので、ブラウザの翻訳機能を使えば問題なく利用できる方も多くいるでしょう。
【還元率非公開】Amazon Prime Music:通販大手Amazon
Amazon Prime Musicは、通販大手Amazonが運営する楽曲販売サイトです。
ユーザー数の多さが魅力で、2021年時点で5,500万人、2022年の調査ではサブスクトップの利用者がいることが分かりました。
ユーザー数が多ければ、たくさんの人に聴いてもらえる可能性も高まるので、積極的に利用したいサービスです。
Amazon Musicのチャートも影響力があるので、チャート入りすれば多くの人の目に触れて、よりたくさん聴いてもらえるようになるでしょう。
しかし、利用者が多いぶん楽曲数も多く、超人気アーティスト楽曲も多数掲載されています。
そのため、Amazon Musicのみで人気になるのは難しく、ほかのSNSでの宣伝が必須になるでしょう。
また、2022年11月のアップデートで無料会員の機能が大幅に制限されてしまったため、ユーザー離れが加速する可能性があります。
【還元率70%〜】BIG UP!:無料で楽曲配信ができる
BIG UP!は、TuneCoreと同じく複数のサイトで楽曲配信できるサイトです。
無料で利用できるのが最大のメリットで、維持費を増やしたくない方におすすめです。
まだ知名度や実績がなく、再生数も見込めない方は、無料で利用できるBIG UP!が良いでしょう。
ただし、TuneCoreと比べると対応してもらえるサービスが多くありません。
また還元率も高くないので、たくさん再生してもらえる可能性がある場合は、TuneCoreのほうが良いでしょう。
楽曲販売をする際の注意点
楽曲販売をする際には、権利関係や税金面などに注意が必要です。
副業であっても、ルールはしっかりと守ったうえで活動しなくてはなりません。
法律や規約を知らなかったとしても、違反すればペナルティが課されます。
追加で税金が発生したり、販売停止になるケースも考えられるでしょう。
健全な取引をするために、以下の点には十分注意してください。
各サービスの利用規約や著作権を違反しないように注意
楽曲販売サイトには、サイトごとにさまざまなルールが設けられています。
特に、素材販売サイトは作品の権利や収益に関して細かなルールがあるので、利用前にしっかりと確認しましょう。
1つの素材サイトで販売したものを別サイトでも販売すると、規約違反になる可能性もあります。
また、著作権を譲渡するタイプのサービスであれば、曲を提供した瞬間に自分が管理できる曲ではなくなるので、お気を付けください。
著作権に関しては、日本国内の法律で定められているものもあります。
特に注意したいのは「アレンジ」で、著作権法を知らずにアレンジの仕事を受けていると、著作者人格権違反になる可能性があります。
楽曲が売れる前から青色申告の準備が絶対おすすめの理由
楽曲がたくさん売れるようになったら、開業届を提出して青色申告の65万円控除で節税しよう!
と考える人は、今すぐ開業届を提出するのがおすすめです。
提出期限 | |
新規開業(1月15日以前に開業) | 承認を受ける年の3月15日まで |
新規開業(1月16日以後に開業) | 業務開始日から2か月以内 |
白色申告から青色申告への切り替え | 承認を受ける年の3月15日まで |
上記のように、事前に申請する期間が定められているので、儲かっていなくても開業届を提出するのがおすすめです。
開業届を提出し、青色申告の65万円控除を受けるとかなりの節税になります。
楽曲制作に関連する経費や事業に関連する経費を、利益から差し引くことが出来るので節税が可能です。
- 楽器の費用
- ソフトウェア代金(DAWソフトなど)
- ブログのサーバー代
- 会計サービス費用
- パソコンやタブレット
- 書籍代
- 通信費(インターネット代金やスマホ代金)
1年間の課税所得が20万円を超えたら、確定申告が必須
1年間の課税所得が20万円を超えたら、確定申告をしてください。
課税所得とは、売上から経費を差し引いたものです。
課税所得が20万円を超えた場合、確定申告をして所得税を納める必要があります。
売上が20万円を超えていても、DAWソフトや制作用パソコンの購入代金などを経費にすれば、課税所得が20万円を下回るケースもあります。
課税所得が20万円を下回れば、確定申告の必要はないので、もし経費にできそうなものがあれば、計算してみましょう。