作曲と編曲の違いとは?依頼するときの注意点のまとめ

作曲とは何か

作曲とは

作曲の定義は、人やシチュエーションによって異なります。

しかし一般的な作曲の解釈は、曲の骨組みとなるメロディ・コード進行・構成を作ることです。

簡単に説明すると、ギターやピアノでの弾き語りで曲を作っていく作業ということになります。

またゲームやアニメなどで使用されるBGMなどの場合は、映像やコンテンツと併せて作曲されていくことが多いです。

メロディ・コード進行・構成の中で、まずどれから作っていくかは人によって異なります。

MEMO
狭い捉え方ではメロディのみの作成、広い捉え方ではCD音源として完成するまでの工程を作曲という場合もあります。

メロディについて

メロディは曲を印象付ける非常に重要な要素と言えます。

基本的にはボーカルの音階のことであり、間奏部分や歌なしの楽曲であれば、楽器で表現されることも多いです。

またメロディはコードと深い関わりがあり、メロディの後ろで鳴っているコードによって、メロディの雰囲気がガラリと変わります。

メロディから作曲をはじめ、そこにコードを付け足していく場合も多いです。

作曲を依頼する場合は、鼻歌や楽器でメロディを伝えてそこから曲を作ってくれる制作会社が数多くあります。

コードについて

コードとは同時に鳴る2つ以上のハーモニーのことを言い、コードの展開のされ方をコード進行と言います。

例を出すと、ギターの弾き語りであればギターの伴奏がこれに該当し、複数の楽器で1つのコードを形成することも多いです。

コードはメロディの背景のような役割を担い、メロディの持つ雰囲気に大きく影響を与えます。

コード進行から作曲し、そこにメロディをのせるケースも多いです。

また曲にはキー(調性)というものが存在し、曲によって違和感なく使用できるコード・メロディがある程度決まっています。

コードもメロディも、そういった音楽理論に従って一貫性を保ちながら構築されていくことがほとんどです。

MEMO
キーとは音楽における決め事の1つです。ハ長調(key=C)のように記され、曲によってキーが異なります。

構成作り

作曲の構成作りは、物語における起承転結のようなもので、曲全体の印象に大きく影響を与える要素です。

イントロ・Aメロ・サビのように、各セクションの並び方や長さなどを調整してメリハリを付けます。

イントロ→Aメロ→Bメロ→サビのように日本人に馴染みの良い定番の構成や、いきなりサビからはじめてインパクトを与えるものなど、構成は曲によってさまざまです。

注意
人によってはこの工程を作曲に含まず、編曲に含む人も多いです。

編曲とは何か

編曲とは

編曲とは、曲に入れる楽器や具体的なフレーズ・コーラス・エフェクトなどを決めていく作業です。

作曲段階の骨組みに肉付けしていくようなイメージで、曲の完成度や印象に大きな影響を与えます。

コードを付け直す場合がある

楽器などを付け足していくうちに曲の印象が変わることで、作曲段階で付けられたコードから変更されることがあります。

このようにコードが付け直されることをリハーモナイズと言い、リハーモナイズのみを依頼できる楽曲制作会社も多いです。

編曲から作られるパターン

単純なコードやメロディからではなく、楽器のフレーズから作曲されるケースも数多くあります。

例えばロック・ヘビーメタルなどに多いのが、ギターリフから作られるパターンです。

ギターだけでなく、楽器のメインフレーズから作られる場合は、編曲とセットで作曲していると言えます。

編曲次第で作曲段階とは全く別物の曲になることも

同じコード進行・メロディ・構成であっても、編曲次第で楽曲の持つ印象が大きく変わります。

また編曲していく中で、曲のテンポを落としてロックがバラードになったり、反対にテンポが上がってバラードがアップテンポなポップ・ロックになることも多いです。

さらにリハーモナイズによって明るい曲→暗い曲や、暗い曲→明るい曲など、編曲によって作曲段階とは全く別物になることがあります。

楽曲制作全体の流れ

楽曲制作

楽曲を市販のCDや一般公開するまでに必要な流れは次の通りです。

STEP.1
作詞・作曲

まずはじめに、テーマに沿って作詞と作曲を行ないます。

作曲と作詞のどちらから先にはじめるかは人それぞれです。

STEP.2
編曲

作曲でできあがった骨組みに付け足す楽器・フレーズなどを決めます。

STEP.3
プリプロ

バンドでフレーズ確認や音作りのイメージをするため、レコーディング前に簡易的なレコーディングをする作業です。

編成や楽曲次第で省略される工程です。

STEP.4
レコーディング

実際に音源化していく中での最初の工程です。

ドラムやベース・ギター・ボーカルなどを、さまざまな機材を使用して高音質に収録します。

ボーカルがなく、楽器が全て打ち込みの場合は必要ありません。

STEP.5
ミキシング

レコーディング後の各トラックを編集する作業です。

主に音質・音量・定位の調整やリズム・ピッチ修正などを行ない、楽曲の完成度を高めていきます。

STEP.6
マスタリング

プレス業者へ納品前の最後の工程で、ミキシング後の1つのステレオトラックを編集する作業です。

全体の音圧・音質を調整し、明瞭で迫力あるサウンドへ完成させます。

CD化が不要な場合は、この段階でデータを受け取って完了です。

STEP.7
プレス業者に納品

CD化するのであれば、プレス業者に納品します。

このように楽曲を公開するまでには、さまざまな工程が必要です。

作曲と編曲は楽曲を完成させるまでの一部です。

楽曲のイメージを伝える方法

イメージ

作曲・編曲を楽曲制作会社に依頼する場合、こういう曲にしてほしいというイメージをできるだけ具体的に伝える必要があります。

イメージを伝える方法は、楽器やDTMができる方の場合、デモ音源などで伝えると具体的に伝わるので有効です。

そういった知識やスキルがない方であれば、鼻歌で伝えたり、「素朴な」・「激しく」・「ワクワクするような」など形容詞で雰囲気を伝えると良いでしょう。

また「〇〇さんの〇〇という曲のようにしてほしい」など既存の曲を参考にしてもらうのもおすすめです。

MEMO
事前にイメージを明確に伝えることで修正回数を減らすことができます。

打ち合わせの前に用意するもの

制作会社との進行をスムーズにし、トラブルを回避するために事前に決めておくべきことがあります。

例えば、CMやWEB・CD販売などの露出媒体や、納品日などを含めたスケジュールはできるだけ明確にしておきましょう。

また目的・ターゲットを含む曲のコンセプトや、具体的な予算も打ち合わせの前に決めておく必要があります。

プロの作曲家の見極め方

作曲・編曲を人に任せる場合、クオリティの高い曲作りはもちろん、最後までしっかりと責任を持ってやり遂げてもらうことが大切です。

特にフリーランスであれば、実績のあるプロの作曲家から趣味レベルの素人までさまざまなので、しっかりと見極める必要があります。

ここでは責任性の高いプロの作曲家の見極め方を紹介するので、失敗しないようにしましょう。

業務委託契約書を提示してくれる

プロの作曲家を見極めるポイントの1つが、業務委託契約書を提示してくれることです。

実績のある作曲家・編曲家の場合、契約書の雛形を持っていることが多いので、1つの目安となります。

楽曲制作をはじめる前に業務契約を結び、委託者・受託者や完成義務などを明確にしておきましょう。

著作権について質問したときにしっかり説明出来る

委託者が完成後の楽曲を自由に使用・販売・公開できるかは非常に重要です。

作曲家・編曲家を選ぶ際は、著作権について詳しく明記している人を選びましょう。

著作権についての知識がない作曲家・編曲家は、実績が少なくクオリティが保障できないことが多いです。

後々トラブルにならないように、完成後の楽曲の著作権者が誰なのかはっきりさせておきましょう。

作曲家・編曲家の効率的な探し方

作曲家・編曲家の探し方は、WEB・近場のミュージシャン・広告代理店の大きく3つです。

SNSや公式HPなどWEB経由で探す方法は、料金・実績・業務内容などが把握しやすく、最も一般的な探し方と言えます。

また地方企業であれば、近場のミュージシャンにお願いするという方法もありです。

作曲・編曲能力を見極める必要がありますが、コラボや実際に合ってディスカッションできるなどのメリットがあります。

音楽業界に強い広告代理店は、優れた作曲家・編曲家を抱えていることが多く、CMやWeb広告の楽曲制作を依頼するときにおすすめです。

MEMO
作曲家によって得意・不得意なジャンルがあるので、過去に手掛けた曲を参考にしてイメージに近い人を選びましょう。
MEMO
基本的に作曲と編曲は同じ人に依頼した方がイメージを共有しやすいですが、別々にお願いすると専門性の高い作曲・編曲が期待できます。

作曲・編曲を依頼したときの料金相場

作曲・編曲の料金相場は、依頼する制作会社や企業案件or個人案件・作業内容・用途・修正回数などで大きく変動します。

下記の表は作曲・編曲の大まかな料金相場です。

内容1曲あたりの料金相場
作曲のみ3万円~10万円
編曲のみ5万円~15万円
作曲・編曲セット10万円~20万円

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