今回は室内撮影において照明機材を使用する際に最低限揃えておきたい必要な機材と、ライティングのコツについて紹介します。
目次
室内撮影に最低限必要な照明機材
室内撮影を行う場合、作品のクオリティを劇的に向上させる要素の一つがライティングです。
ライティングに必要な最低限揃えておきたい機材を紹介します。
照明(ライト)
ライティングと言えば、まず最初に絶対に必要なのがライトです。
ライトは被写体を明るく照らし、また影やコントラストを作り出す重要な役割を果たします。
最初は1灯のライトを使用して、ライティングの基本を学ぶことがお勧めです。1灯のライトだけでも、位置や角度、強さを変えることで様々な効果を得ることができます。
慣れてきたら、複数のライトを使用してさらに複雑なライティングセットアップを試してみると良いでしょう。
複数ライトを使用することで更に多彩な陰影のコントロールが可能となり、作品の雰囲気に合わせたライティングを行うことが可能です。
ライトを固定する機材(カメラスタンド)
ライトを固定するには、ライトスタンドを使用します。
プロが使っているカメラスタンドメーカーはAVENGERです。
足で乗っても壊れません。
カメラを固定する機材(三脚やアーム)
室内では移動範囲が限られるため、安定性を重視した撮影機材の選択が重要です。
軽量な三脚やアームも持ち運びが便利であるという利点はありますが、室内で撮影ではしっかりとカメラを固定できる安定した三脚やアームの方が好ましいでしょう。
特に、重いカメラやレンズを使用したり、特定の高さや角度でカメラを固定するには、安定性が高く保持力の高い三脚や雲台が必要です。
よりクオリティをアップするためのライティング機材
以下の機材を使うと、より写真のクオリティがアップします。
ソフトボックス
- ソフトボックスを使用するメリット
- 光が拡散されて柔らかい光に
- グリッドの使用でスポットライトのような効果
- ソフトボックスを使用しないデメリット
- 光が集中するため過剰なハイライトと鮮明な影に
ライトにソフトボックスを装着すると、光が拡散されて柔らかい光になります。
さらに、アクセサリーとしてグリッドを使用すると、光をより局所的に制御しながらも柔らかい光を保ちつつ、スポットライトのような効果を得ることができます。
上記の写真のように、デュフューザーを取り付けることが出来るタイプのソフトボックスがおすすめです。
光がさらに柔らかく、自然な光になります。
照明を直接当てると、ハイライトが白飛びしやすく、影もはっきりした濃い影になりがちなので控えましょう。
レフ版
- メリット
- メインの光源を反射させるため、自然な光を得ることが可能
- 低コスト
- 簡単なセットアップ
被写体の影が濃すぎたり、被写体が暗く感じられる場合には、レフ版を使用することで光を反射させて明るくすることが可能です。
メインの光源を反射させるため、自然な表現が可能です。
低コストで導入でき、電源も不要でセットアップも簡単なため、撮影のフレキシビリティを向上させます。
レフ版は多くのメーカーから販売されていますが、ホームセンターで売っている白い発砲スチロールやパネルを使って自作する人も多くいます。
光学スポットライトビームライター
光学スポットライトビームライターは、通称スヌートとも呼ばれ、これを使用することで光を一箇所に集中させることができます。
スヌートと光学スヌートとの違いは、光学スヌートにはレンズが付いており、照射角やスポットの大きさを調整できる点です。
AMBITFUL AL-16などの製品では、ライト内に板を挿入することで、プロジェクターのように模様を投影することができます。
ピントを調整することで模様の明瞭度を変えることが可能であり、様々な表情の写真を撮ることができます。
撮影背景シートや撮影背景ボード
背景シートや背景ボードを使用することにより、写真の雰囲気をがらりと変えることができます。
背景撮影シートはスタンドのアームに垂らす、またはクリップなどで固定することで、大きな被写体にも対応することができます。
ライティングを極めてプロ並みに撮影するやり方
ここからはライティングを上手く利用し、作品のクオリティをプロ並みに引き上げる撮影方法について紹介します。
照明の当て方
メインライトの位置と角度
メインライトは通常、被写体から45度の角度で配置し、被写体の顔を明るくすることが一般的です。ライトの高さで影の長さと方向をコントロールします。
ソフトボックスやアンブレラの使用:
ソフトボックスやアンブレラを使用して光を拡散させ、柔らかく自然な光を作り出します。
これにより、被写体の皮膚が滑らかに見え、影が柔らかくなります。
フィルライトの利用
フィルライトは、メインライトの反対側から被写体を照らすライトで、レフ板などでも代用できます。
これにより、写真に立体感を与えることができます。
バックライトの使用
バックライトは被写体の背後から光を当て、被写体を背景から際立たせます。
これは、被写体を背景から区別し、立体感を強調するのに役立ちます。
リフレクターやディフューザーの利用
リフレクターやディフューザーを使用して光を反射または拡散させ、必要な箇所に光を追加または減少させます。
室内撮影のライティングの4つポイント
室内撮影のライティングのクオリティを高めるためのポイントを4つ紹介します。
① 影が気になる場合
被写体の影が濃く出るのは避けたい場合、まずは照明の位置を確認しましょう。
低い位置からの照明は、影が長く濃くなる原因となります。
照明の位置を高くすることで、影の長さや濃さを調節できます。
さらに、ソフトボックスを利用して光を拡散させることで、柔らかい影を作り出すことができます。
それでも影が気になる場合は、レフ版を光と反対側に立てて影を減らしましょう。
② てかり(光の反射)が気になる場合
室内照明が反射してしまう場合は、照明を落とし、ライトの定常光だけで撮影しましょう。
それでもカメラの反射などが気になる場合は、黒いケント紙を使用して気になる部分を覆い、テカリを部分的に隠す方法も有効です。
③ 実物と同じ色で撮影したい場合
被写体を実物と同じ色で撮影するには、照明の色温度を5000~6000K(ケルビン)に設定し、白色の照明で撮影することが重要です。
オレンジ色の照明を使用すると、後で大幅にレタッチする必要があり、結果として見た目が実物とかけ離れたものになってしまいます。
さらに、室内の照明を全て消し、外光の干渉が少ない場所で撮影することが有効です。
④ カットによって色味が変わってしまう場合
各カットで色味が異なる場合は、カメラのホワイトバランス設定をマニュアルで固定しましょう。
ホワイトバランスがオート設定の場合、カメラがカットごとに色味を自動調整し、結果として各カットの色味がバラバラになってしまいます。