カメラ撮影を室内でライティングするコツとポイント

カメラ撮影のライティングのコツとポイント

商品撮影やフード撮影などでよく用いられる撮り方の一つに、俯瞰撮影があります。

その名の通り被写体を真上から撮影して、被写体を俯瞰的に見ることで客観的な視点で見ることが出来ます。

今回はその俯瞰撮影を照明機材を使用して行う際に、最低限これは揃えておきたいという必要な機材と、ライティングのコツについてお伝えしていきます。

俯瞰撮影に最低限必要な照明機材

俯瞰撮影に最低限必要な照明機材

俯瞰撮影を行うにあたって必要な機材は、基本的には通常の撮影とそれほど大きくは変わりません。

ですが上手く撮るにはコツがあるので、これを揃えておけば大丈夫という機材をご紹介します。

照明(ライト)は2つ用意するのがおすすめ

照明(ライト)は2つ用意するのがおすすめ

サブのライティング

まず俯瞰撮影ではカメラを被写体の真上に設置するため、ライトを通常と同じように上から照らしていたのでは、被写体の上に影がかかってしまい、写真が台無しになってしまいます。

そのため、ライトを被写体の横または前後から照らすことになります。その際、低めからライトを打つことになるので、被写体に影が濃く出てしまう可能性があります。1か所から強い光が当たりすぎているとドラマティックな印象になるため、2か所以上にライトを置くことをおすすめします。

ライトを固定する機材(カメラスタンド)

ライトを固定するには、ライトスタンドを使用します。

プロが使っているカメラスタンドメーカーはAVENGERです。

足に乗っても壊れません。

カメラを固定するアームまたは三脚

カメラは一眼レフやミラーレスなどの重量のある機体であればあるほど、しっかりとした三脚に固定するのがおすすめです。

そのひとつに、センチュリースタンドにブームで固定する方法があります。

センチュリースタンドとはライトスタンドの一種で、脚が3本に分かれていて、それぞれの脚がL字に曲がっているのが特徴です。

撮影用スタジオで広く用いられているスタンドになります。

有名なメーカーとして、アベンジャーがあります。それにブームと呼ばれる機材を使用して、カメラをスタンドに固定します。

または、俯瞰撮影に対応した三脚も各メーカーから販売されています。

有名なメーカーではマンフロットがあります。他メーカーからは付け替え用のスライディングアームが販売されており、三脚の上部分をスライディングアームに付け替えると俯瞰撮影が可能になります。

それに対しマンフロットの三脚では、三脚のボタンを押すだけでアームを倒すことができ、簡単に俯瞰撮影を行うことが出来ます。

よりクオリティをアップするためのライティング機材

以下の機材を使うと、より写真のクオリティがアップします。

ソフトボックス

ライトにソフトボックスを装着すると、光が拡散され柔らかい光になります。

撮影をしていて被写体の影が濃く出すぎると感じたときは、ソフトボックスを使用すると柔らかい光が回って美しい写真になります。

さらにアクセサリーとしてグリッドを使用すると、さらに光が局所的になり柔らかい光を出しながらも、スポットライトのような効果が出ます。

デュフューザー

上記の写真のように、デュフューザーを取り付けることが出来るタイプのソフトボックスがおすすめです。

光がさらに柔らかく、自然な光になります。

レフ版

被写体の影が濃く出すぎている時や、被写体が暗く感じられるときにレフ版を使用するとトーンが上がりワンランク上の写真になります。

各メーカーからレフ版が多く販売されているので、用途に合わせて使い分けるのも良いですが、ホームセンターに売っている白い発砲スチロールやパネルを使って自作する人も多いです。

光学スポットライトビームライターを使って光を操る 型番:AMBITFUL AL-16

光を操る 型番:AMBITFUL AL-16

スヌートとも呼ばれる光学スポットライトビームライターを使用すると、光を一か所にまとめることが出来ます。

単なるスヌートとの違いは、光学スヌートにはレンズがついており、照射角やスポットの大きさを調整できます。

光学スポットライトビームライターを使って光を操る

AMBITFUL AL-16では、ライトの中に板を入れて、プロジェクターのように模様を投影することができます。

ピントを調整して模様の濃さを変えることも可能なので、様々な表情の写真を撮ることができます。

撮影背景シートや撮影背景ボード

物撮りに欠かすことのできない背景ですが、背景シートや背景ボードを使うことにより写真の雰囲気がガラッと変わり、おしゃれな雰囲気になります。どのようなテイストの写真にしたいかによって、背景を選ぶ楽しみがあります。

背景撮影シートはスタンドのアームなどに垂らす、またはクリップなどで止めることで、大きな被写体にも対応できます。

それに対し背景ボードは汚れや水に強く丈夫なので、ある程度の汚れならふき取ることができます。しかしボード上に物を倒すなどした際は傷が入りやすいので注意が必要です。

ライティングを極めてプロ並みに撮影するやり方

ここからはライティングを上手く利用し、写真のクオリティをプロ並みに引き上げる撮影方法についてご紹介します。

照明の当て方

先述したように、俯瞰撮影では2灯以上のライトを使用して真後ろと真横などそれぞれ異なった方向から光を当てることで影が強く出すぎることを防ぎ、安定したクオリティの写真を撮影できます。

さらにライトの高さを上げ、より高い位置から照明を当てることにより、被写体全体に光が当たり、より美しい仕上がりになります。

ここでソフトボックスや光学スポットライトなどを使用してそれぞれのライトの光に表情を持たせることでのっぺりとした写真になるのを防ぎ、よりプロに近いクオリティの写真を撮ることができます。

カメラの設定方法

まずカメラが水平に固定されているかを確かめるため、水準器を使用することをおすすめです。

水準器にはカメラの上に付けるタイプと、カメラの上などに置いて測るタイプなどがあります。

そして俯瞰撮影ではカメラのファインダーをのぞくことが困難になるので、パソコンに繋ぐテザー撮影や、Wi-Fiを利用し、テザリングを行いスマホやパソコンからモニタリングしながら、撮影すると撮影がかなり楽になります。

シャッターボタンも押しにくくなるので、レリーズなどがあると便利です。

俯瞰撮影のライティングの4つポイント

 

① 影が気になる場合

被写体の影が濃く出すぎてしまう場合は、まずはライトの位置を確認しましょう。

低い位置から照明を当てすぎてしまうと、影が長く濃く出てしまいます。ライトの位置を高く上げ、より真上に近い位置から光を当てることで、影が出るのを押さえることができます。

さらにソフトボックスなどを使い光を拡散させることで、影の濃さを薄くできます。

それでも影が気になる場合は、レフ版を光と反対側に立て、影を消しましょう。

② てかり(光の反射)が気になる場合

続いて光の反射が写真に写りこんでしまう場合ですが、室内で撮影している場合、室内照明が写りこむ場合は、照明を落としライトの定常光だけで撮影するようにしましょう。

それでもカメラ自体の写りこみなどが気になる場合は、黒いケント紙で気になる部分だけを覆い、部分的にテカリを隠してしまうやり方も有効です。

③ 実物と同じ色で撮影したい場合

被写体を実物と同じ色で撮影したい場合は、照明の色温度を5000~6000K(ケルビン)に設定して、白い色の照明で撮影することが大切です。

オレンジがかった色の照明を当ててしまうと、後々レタッチで大幅に調整しなければならず、見た目とは程遠い仕上がりになってしまいます。

さらに室内の照明を全て消し、撮影する場所も窓際ではなく出来る限り外からの光の干渉が無い場所で撮影します。

そしてカラーチャートやグレーカードを使い、ホワイトバランスを合わせます。

手間がかかりますが、極力ライト以外の光(外光、室内照明など)を遮断することで色味が全く違ったものになってきます。

④ カットによって色味が変わってしまう場合

各カットでそれぞれ色味が変わる場合、カメラのホワイトバランスの設定を確認しましょう。

ホワイトバランスの設定がオートになっている場合、カットごとにカメラが自動的に色味を調整するため、それぞれのカットで色味がバラバラになってしまいます。

ホワイトバランスをオートからマニュアル設定に変更することで、安定した色温度で撮影を行うことができます。

以上、俯瞰撮影を行う際での注意事項やコツをお伝えしました。

まずは安定した撮影環境を作ることで、クオリティが安定したプロ並みの写真を撮影できます。

ライトもアクセサリーを変えるなど色々工夫して、オリジナリティあふれる素敵な写真を撮影しましょう。

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