目次
カメラを縦に構えるのが面倒なときにおすすめの3つの機材
縦グリップ | リング式三脚座 | L型ブラケット | |
ポートレート撮影 | 〇 | 〇 | 〇 |
長時間露光 | × | 〇 | 〇 |
マクロ撮影 | △ | 〇 | 〇 |
大型レンズ使用 | △ | 〇 | 〇 |
パノラマ撮影 | × | 〇 | 〇 |
三脚への固定 | △ | 〇 | 〇 |
グリップ感 | 〇 | × | 〇 |
縦横への切り替え | 〇 | 〇 | △ |
カメラの縦型グリップとは
縦型グリップは、カメラを縦位置で構えたときにホールド感を良くするためのカメラ機材です。
カメラの底に装着しボディを延長することで縦のグリップ感をアップし、手振れを防ぎます。
縦型グリップにはシャッターボタンもあるので、縦型写真やポートレート撮影をしたい人におすすめのカメラ機材です。
縦グリップのメリット
- バッテリーが二つ入るので長時間撮影ができる
- バランスが良くなる
- 写真がブレない、手首が疲れない
長時間撮影ができる
多くの縦グリップは、バッテリーが二つ入る仕様になっているので長時間、撮影をすることが可能です。
※このことからバッテリーグリップとも呼ばれます。
モータースポーツの耐久レースのなどでは、いちいちバッテリーを交換せずに済むのでシャッターチャンスを逃しません。
またタイムラプス撮影でも長時間駆動が可能で、バッテリーの消耗が激しいミラーレス一眼カメラでもバッテリー残量を気にせず安心してカメラを使えます。
バランスが良くなる
バッテリーが一つ増えることで、大型レンズを使用した場合は持ったときのバランスが良くなることもあります。
写真がブレない、手首が疲れない
カメラを横位置で構えたときのように安定感があり写真のぶれを防ぐことができます。
ポートレート撮影のように縦で写真を撮ることが多い場合、重宝するカメラ機材です。
純正ではないサードパーティ製の縦グリップもありますが、安さよりも安定を重視し純正の縦型グリップがおすすめです。
縦グリップのデメリットと注意点
- 重くなる
- サイズは大きくなるのでバッグの中で場所をとる
- 液晶画面を使いづらい
- サードパーティ製は避ける
縦グリップにはデメリットもあり、必ず重量が重くなることカメラバッグの中で場所をとるという問題があります。
サイズもかなり大きくなり、ミラーレス一眼カメラの小型という良い点を潰してしまっています。
そして、縦位置では液晶画面のタッチAFが使いにくくなります。
縦位置で長時間撮影・ブレのない写真を撮るか、重さ・大きさで持ち運びがしやすいものを選ぶかが選択の違いになってくるでしょう。
縦型グリップの必要な人はどんな人?
- 縦型のコンテンツを撮影する人
- ポートレート撮影する人
おすすめの縦グリップ
縦型グリップ | Sony | Canon | Nikon | Fujifilm | パナソニック | Canon |
製品型番 | VG-C4EM | BG-R10 | MB-N11 | VG-XT4 | BDM-BGS5 | RG-R10RC-L |
ダイヤルの有無 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
マルチコントローラーの有無 | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 | 〇 |
安定性 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
バッテリーライフ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
重さ バッテリー除く | 290g | 351g | 295g | 306g | 240g | 不明 |
防塵・防滴 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 不明 |
リング式三脚座(回転式水平垂直マウントキット)とは
- 回転リングをマウント部・レンズに固定し縦横を変更するもの
- サードパーティ製は台座部分がアルカスイス互換
- 三脚と一緒に使うもの
リング式三脚座とは、レンズのマウント部分あるいは胴体にリングで固定できる台座で、カメラの縦横を瞬時に切り替えられる機材になります。
リングの根元は、アルカスイス互換の台座になり三脚と固定できるようになっています。
このリング式三脚座は、三脚と一緒に使用するものになり単体で使うものではありません。
カメラメーカー純正のリング式三脚座は、台座がアルカスイス互換になっていないものもあり、別途アルカスイス互換のクイックリリースシステムにしておくと脱着が便利です。
リング式三脚座のメリット
- 光軸・レンズの中心がずれない
- 三脚に固定したまま回転が可能
メリットは、レンズの光軸・中心を動かさずにカメラを縦横に変えられる点になり、三脚に固定したままカメラとレンズを回転できてとても便利です。
リング式三脚座のデメリットと注意点
- 重くなる
- バッグの中で場所をとる
- 構造上、後ろより(人間より)の重量バランスとなる
- ボタンやレンズのスイッチが押しづらくなる
- レンズ交換の際にリングが邪魔になる
重くなる
機材分の重量はどうしても重くなってしまいます。
バッグの中で場所をとる
持ち運びする際にとてもかさばりバッグに入れづらくなります。
構造上、後ろより(人間より)の重量バランスとなる
リング式三脚座を使用すると、構造上カメラボディ寄りの重量配分になります。レンズが小さいとカメラ寄りのバランスになると言うことです。
ボタンやレンズのスイッチが押しづらくなる
使うリング式三脚座にもよりますが、サードパーティ製のものは、カメラ前面にあるリングが前面のレンズ脱着ボタンやレンズのスイッチを邪魔してしまうことがあります。
リング式三脚座がおすすめな人はどんな人?
シャッターチャンスを逃したくないカメラマンにおすすめです。
- 縦横の変更が瞬時にできる
- 90°回転させるとにカチッと音がするので水平感を保ちやすい
- L型ブラケット比較すると、三脚の脱着がない
おすすめのリング式三脚座
リング式三脚座 | Sony | Canon | Nikon | Sony | マルチ対応 |
製品型番 | SmallRig 4148 | AII(W) | NC-300PFV2 | ZP04-IS-S24240FE | SilenceCorner ATOLL |
安定性 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
重さ | 185g | 160g | 165g | 155g | 108g |
ボタン類操作性 | 〇 | 〇 | 〇 | × | × |
L型ブラケットとは
- カメラの底と左側面を覆うプレートでL字型
- 縦と横位置でレンズの中心は若干ずれることも
L型ブラケットは、カメラの底部と左側面を覆うプレートで三脚に固定して使用します。
底部と左側面は、アルカスイス互換のクイックリリースシステムに対応したアリガタ構造のプレートで、カメラの縦横への切り替えが可能です。
その都度、三脚からの脱着に手間は掛かりますが、アルカスイス互換なので比較的素早く脱着可能です。
レンズの中心は若干上に上がる可能性が高く、三脚の高さの調整も必要となってきます。
L型ブラケットのメリット
- カメラの縦横を素早く変更できる
- アルカスイス互換のクイックリリースシステムに対応
- カメラの保護にもなる
- バッテリーを取り出しやすい
- 握ったときの小指あまりの解消ができる
- 縦と横にしたときの構図のずれが少ない
カメラの縦横を素早く変更できる
L型ブラケットには、カメラの縦横を素早く簡単に変更できるメリットがあります。
これはリング式三脚座と共通するメリットになります。
アルカスイス互換のクイックリリースシステムに対応
L型ブラケットの底面と左側面は、アルカスイス互換のクイックリリースシステムに対応しているものが多く、L型ブラケットと三脚・雲台を簡単に固定できます。
また、左側面までプレートで覆われているので、カメラの保護にもつながっています。
バッテリーを取り出しやすい
多くのL型ブラケットは、バッテリーも取り出しやすく工夫がされており、バッテリーの交換にも手間が掛かりません。
その原理は、バッテリー部分がプレートで覆われていなかったり、バッテリー部分だけふたのように開け閉めできるようになっているというものです。
握ったときの小指あまりが解消できる
カメラのミラーレス化でカメラボディが小型化し、カメラを握ったときの小指あまりが解消してグリップ感が増します。
縦と横にしたときの構図のずれが少ない
L型ブラケットを使うと横位置と縦位置の構図があまり変化しないので使いやすいです。
アルカスイス互換クイックリリースシステムに対応している
ほとんどのL型ブラケットは、アルカスイス互換のクイックリリースシステムに対応しています。
ですので三脚、自由雲台等との接続はスピーディーに簡単にできます。
アルカスイス互換のクイックリリースシステムは、メーカーによって若干作りが違い、はまらないなどの不具合もあるのでL型ブラケットと三脚・自由雲台等を同じメーカーで揃えることをおすすめします。
RRSやKIRKでは三脚・雲台はもちろんのことL型ブラケットまで揃えており、取り付け部分がしっかりと適合し安定します。
L型ブラケットのデメリットと注意点
- 重くなる
- サイズが大きくなる
- カメラバッグの中で場所をとる
L型ブラケットを取り付けるとどうしても、その重量分は重くなってしまいます。
L型ブラケットを使う際は、三脚も必ず使うものになるので持ち運びを考えるとマグネシウム合金など軽い素材で作られているものを選ぶといいでしょう。
別のデメリットとしては、取り付けるとサイズも大きくなってしまいカメラバッグの中でも場所をとります。またカメラの底に擦り傷が付いてしまうかもしれません。
L型ブラケットと縦グリップを一緒に使える?
L型ブラケットと縦グリップは一緒に使うことができますが、縦グリップを付けることによって大幅にサイズが大きくなるので、縦グリップ装着用のL型ブラケットであることが必要です。
理由は縦グリップをつけると下にサイズが伸びるので、左側面の端子パネルの高さが必要となってくるからです。
L型ブラケットがおすすめな人はどんな人?
底側と左側面は、アルカスイス互換なのでL型ブラケットでの撮影や手持ち撮影を交互にする人に向いています。
三脚との脱着もしやすく、握ったときの小指あまりもなく手にフィットします。
カメラを縦横にちょくちょく変えて撮影する人に向いています。
おすすめのL型ブラケット
L型ブラケット | SmallRig | Leofoto | Nikon | マンフロット | RRS |
製品型番 | LCS2417B | LPC-R5 | Z-GR1、Z-VP1 | MS050M4-Q2 | BXT4-LS |
対応モデル | Sony | Canon | Nikon | 共通 | X-T4 |
軽さ | 260g | 156g | 148g+56g | 307g | 162g |
バッテリー交換 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
カメラ側端子へのアクセス | 〇 | 〇 | 〇 | × | 〇 |
拡張性 | 〇 | 〇 | × | × | × |
撮影が快適になる便利なスライドプレートとは
- 取り付け部はアルカスイス互換に対応している
- カウンターバランスをとることもできる
スライドプレートとは、アルカスイス互換のクランプ型のプレートで、カメラを前後させ三脚とのカウンターバランスをとることができます。
バランスをとるだけではなく、マクロ撮影で三脚の脚が写り込んでしまうときは、カメラを前にスライドさせるなどの対策方法があります。
縦グリップ、リング式三脚座、L型ブラケットの中でもリング式三脚座は構造上後ろ(カメラボディ)寄りのバランスになります。
超望遠レンズなど大型のレンズを使うときはバランスをとりやすいですが、標準ズームレンズなど小さめのレンズを使う際は、このスライドプレートを使って重心を前に持って行くことができます。
Leofoto NR-200
Leofoto NR-200は多目的スライドプレートになり、パノラマ撮影にも使用されます。
全長227mm、幅38mm、重量170gのロングプレートで、プレート下側はアルカスイス互換のクイックリリースプレートになり、プレート表面側はカメラを設置するためのアルカスイス互換のクランプとなっています。
長さもしっかりあり、超望遠レンズなど大型レンズを使う際は、スライドプレートを使い人間(後ろ)寄りにしてバランスさせることも可能です。
また、小さめのレンズをリング式三脚座で使うときは、後ろ寄りのバランスを前にずらすことも可能です。