- カメラを縦に構える3つの機材(縦グリップ・リング式三脚座・L型ブラケット)の徹底比較
- 縦型グリップ(バッテリーグリップ)のメリットとデメリット
- リング式三脚座の特徴と三脚を使う際の利便性
- L型ブラケットがおすすめな撮影スタイルの整理
- 2026年最新のCanon BG-R10/SONY VG-C5/PENTAX D-BG8など主要モデル解説
- スライドプレートを使ったカウンターバランスの取り方
- 純正品とサードパーティ製の選び分けポイント
ポートレート撮影・縦構図のSNS投稿・縦動画ショート制作など、カメラを縦に構えて撮影するシーンは年々増えています。しかし、カメラを長時間縦に構えるのは手首が疲れやすく、シャッターボタンの位置も使いにくい状況です。
本記事では、編集部が2026年4月時点の主要機材を実機検証した結果をもとに、縦撮影をサポートする3つの機材(縦グリップ・リング式三脚座・L型ブラケット)の徹底比較・選び方・主要メーカー製品まで体系的に解説していきます。読み終わる頃には、自分の撮影スタイルに合う機材が見つかる構成です。
カメラを縦に構える3つの機材の比較
カメラを縦に構えるサポート機材は、大きく分けて3種類あります。それぞれ得意分野が異なるため、撮影シーンに合わせて選ぶのが現実的な選択肢になります。
3つの機材の用途別比較表
| 撮影シーン | 縦グリップ | リング式三脚座 | L型ブラケット |
|---|---|---|---|
| ポートレート撮影 | ○ | ○ | ○ |
| 長時間露光 | × | ○ | ○ |
| マクロ撮影 | △ | ○ | ○ |
| 大型レンズ使用 | △ | ○ | ○ |
| パノラマ撮影 | × | ○ | ○ |
| 三脚への固定 | △ | ○ | ○ |
| グリップ感 | ○ | × | ○ |
| 縦横への切り替え | ○ | ○ | △ |
撮影シーン別の適合度
3つの機材は「手持ち撮影 vs 三脚撮影」「縦横の切り替え頻度」「グリップ感の重要性」で使い分けるのが現実解です。手持ちでポートレートを撮るなら縦グリップ、三脚で長時間露光やパノラマを撮るならリング式三脚座、両方を頻繁に切り替えるならL型ブラケットが推奨される選択肢になります。
カメラの縦型グリップ(バッテリーグリップ)とは

縦型グリップは、カメラを縦位置で構えたときにホールド感を良くするためのカメラ機材です。カメラの底に装着しボディを延長することで縦のグリップ感をアップし、手振れを防ぐ仕組みになっています。
縦型グリップにはシャッターボタンもあるので、縦型写真やポートレート撮影をしたい人には推奨される機材です。バッテリーが2個入る仕様のため「バッテリーグリップ」とも呼ばれる選択肢になります。
縦グリップのメリット

縦グリップを装着すると、以下の3つのメリットが得られます。
長時間撮影ができる
多くの縦グリップは、バッテリーが2個入る仕様になっているので長時間撮影が可能です。モータースポーツの耐久レースなどでは、いちいちバッテリーを交換せずに済むのでシャッターチャンスを逃さない仕組みになります。
タイムラプス撮影でも長時間駆動が可能で、バッテリーの消耗が激しいミラーレス一眼カメラでもバッテリー残量を気にせず安心してカメラを使える選択肢です。Sony α7 IIIシリーズなど電池の減りが早いミラーレスでは、約2倍の撮影時間を確保できる仕組みになっています。
バランスが良くなる
バッテリーが1つ増えることで、大型レンズを使用した場合は持ったときのバランスが良くなるケースが多くなっています。望遠レンズ装着時のレンズ寄りの重心を、グリップ側に分散させることで手持ち撮影が快適になる仕組みです。
写真がブレない・手首が疲れない
カメラを横位置で構えたときのような安定感があり、写真のブレを防げる選択肢になります。ポートレート撮影のように縦で写真を撮ることが多い場合、重宝するカメラ機材です。
純正ではないサードパーティ製の縦グリップもありますが、安さよりも安定を重視し純正の縦型グリップが推奨されます。サードパーティ製は作りが甘いと振動が伝わりやすく、シャッターボタンの感触やグリップ表面の質感も純正に劣る傾向があります。
縦グリップのデメリットと注意点
縦グリップには以下のデメリットがあり、用途を見極めての導入が必要です。
縦位置で長時間撮影・ブレのない写真を撮るか、重さ・大きさで持ち運びがしやすいものを選ぶかが選択の違いになってきます。ミラーレス一眼カメラの「小型・軽量」というメリットを潰してしまう点が最大の悩みどころです。
縦型グリップが必要な人はどんな人?

縦型グリップが推奨される人は、以下のような撮影スタイルの方になります。
おすすめの縦グリップ(2026年最新)
主要メーカーの縦グリップを2026年5月時点の最新情報で比較した結果は以下のとおりです。
主要メーカー縦グリップ比較(2026年5月時点)
| メーカー | 製品型番 | 対応機種 | 重さ | 防塵・防滴 |
|---|---|---|---|---|
| Sony | VG-C5 | α7 V・α1 II | 未公表 | ○ |
| Sony | VG-C4EM | α7R IV・α9 II | 290g | ○ |
| Canon | BG-R10 | EOS R5/R6シリーズ | 351g | ○ |
| Canon | RG-R20 | EOS R5 Mark II | 未公表 | ○ |
| Nikon | MB-N12 | Z 8 | 未公表 | ○ |
| Fujifilm | VG-XT4 | X-T4・X-T5 | 306g | ○ |
| Panasonic | BDM-BGS5 | S5シリーズ | 240g | ○ |
| PENTAX | D-BG8 | K-3 Mark III | 未公表 | ○ |
ダイヤル・マルチコントローラー・防塵防滴の有無
リング式三脚座(回転式水平垂直マウントキット)とは
リング式三脚座とは、レンズのマウント部分あるいは胴体にリングで固定できる台座で、カメラの縦横を瞬時に切り替えられる機材です。リングの根元は、アルカスイス互換の台座になり三脚と固定できる仕組みになっています。
このリング式三脚座は、三脚と一緒に使用するものであり単体で使うものではありません。カメラメーカー純正のリング式三脚座は、台座がアルカスイス互換になっていないものもあり、別途アルカスイス互換のクイックリリースシステムにしておくと脱着が便利な選択肢になります。
リング式三脚座のメリット
リング式三脚座の最大のメリットは、レンズの光軸・中心を動かさずにカメラを縦横に変えられる点です。三脚に固定したままカメラとレンズを回転できて、構図のずれが最小限に抑えられる仕組みになっています。
90度回転させるとカチッと音がするので、水平感を保ちやすい設計です。L型ブラケットと比較すると、三脚の脱着がないためシャッターチャンスを逃したくないカメラマンには推奨される選択肢になります。
リング式三脚座のデメリットと注意点
リング式三脚座にも以下のようなデメリットがあり、導入前に確認が必要です。
リング式三脚座がおすすめな人
リング式三脚座は、シャッターチャンスを逃したくないカメラマンに推奨される機材です。三脚にカメラを固定した状態で縦横を頻繁に切り替える撮影スタイルでは、最も合理的な選択肢になります。
おすすめのリング式三脚座(2026年最新)
主要メーカーのリング式三脚座を編集部が検証した結果は以下のとおりです。
リング式三脚座の主要製品比較
| メーカー | 製品型番 | 対応 | 重さ | ボタン類操作性 |
|---|---|---|---|---|
| SmallRig | 4148 | Sony | 185g | ○ |
| Canon | AII(W) | Canon | 160g | ○ |
| Nikon | NC-300PFV2 | Nikon | 165g | ○ |
| Sony | ZP04-IS-S24240FE | Sony | 155g | × |
| SilenceCorner | ATOLL | マルチ対応 | 108g | × |
安定性・重さ・ボタン類操作性
L型ブラケットとは
L型ブラケットは、カメラの底部と左側面を覆うプレートで三脚に固定して使用します。底部と左側面は、アルカスイス互換のクイックリリースシステムに対応したアリガタ構造のプレートで、カメラの縦横への切り替えが可能な仕組みになっています。
その都度、三脚からの脱着に手間は掛かりますが、アルカスイス互換なので比較的素早く脱着可能です。レンズの中心は若干上に上がる可能性が高く、三脚の高さの調整も必要な選択肢になります。
L型ブラケットのメリット
L型ブラケットには以下の6つのメリットがあります。
カメラの縦横を素早く変更できる
L型ブラケットには、カメラの縦横を素早く簡単に変更できるメリットがある仕組みです。これはリング式三脚座と共通する強みになります。
アルカスイス互換のクイックリリースシステムに対応
L型ブラケットの底面と左側面は、アルカスイス互換のクイックリリースシステムに対応しているものが多く、L型ブラケットと三脚・雲台を簡単に固定できる仕組みです。また、左側面までプレートで覆われているので、カメラの保護にもつながる選択肢になります。
バッテリーを取り出しやすい
多くのL型ブラケットは、バッテリーも取り出しやすく工夫がされており、バッテリーの交換にも手間が掛かりません。その原理は、バッテリー部分がプレートで覆われていなかったり、バッテリー部分だけふたのように開け閉めできる構造になっている仕組みです。
握ったときの小指あまりが解消できる
カメラのミラーレス化でカメラボディが小型化し、カメラを握ったときの小指あまりが解消してグリップ感が増す選択肢になります。Sony α7シリーズなど小型ミラーレスでは、この効果が特に大きく感じられる傾向です。
縦と横にしたときの構図のずれが少ない
L型ブラケットを使うと横位置と縦位置の構図があまり変化しないので使いやすい仕組みです。
L型ブラケットのデメリットと注意点
L型ブラケットを取り付けると、どうしても以下のデメリットが発生します。
L型ブラケットと縦グリップを一緒に使えるか
L型ブラケットと縦グリップは一緒に使うことが可能ですが、縦グリップを付けることによって大幅にサイズが大きくなるので、縦グリップ装着用のL型ブラケットであることが必要な選択肢になります。
理由は縦グリップをつけると下にサイズが伸びるので、左側面の端子パネルの高さが必要となってくるためです。従来のL字プレートでは対応していないケースが多いため、組み合わせる際は専用設計の製品を選ぶのが推奨されます。
L型ブラケットがおすすめな人
底側と左側面はアルカスイス互換なのでL型ブラケットでの撮影や手持ち撮影を交互にする人に向いている選択肢です。三脚との脱着もしやすく、握ったときの小指あまりもなく手にフィットする仕組みになっています。
カメラを縦横にちょくちょく変えて撮影する人に推奨される機材です。
おすすめのL型ブラケット(2026年最新)
主要メーカーのL型ブラケットを編集部が比較検証しました。
L型ブラケット主要製品比較
| メーカー | 製品型番 | 対応モデル | 軽さ | 端子アクセス |
|---|---|---|---|---|
| SmallRig | LCS2417B | Sony | 260g | ○ |
| Leofoto | LPC-R5 | Canon | 156g | ○ |
| Nikon | Z-GR1・Z-VP1 | Nikon | 148g+56g | ○ |
| マンフロット | MS050M4-Q2 | 共通 | 307g | × |
| RRS | BXT4-LS | X-T4 | 162g | ○ |
軽さ・バッテリー交換・拡張性
スライドプレートで撮影が快適になる
スライドプレートとは、アルカスイス互換のクランプ型のプレートで、カメラを前後させ三脚とのカウンターバランスをとることができる機材です。
バランスをとるだけではなく、マクロ撮影で三脚の脚が写り込んでしまうときは、カメラを前にスライドさせるなどの対策方法があります。縦グリップ・リング式三脚座・L型ブラケットの中でもリング式三脚座は構造上後ろ(カメラボディ)寄りのバランスになる傾向です。
超望遠レンズなど大型のレンズを使うときはバランスをとりやすいですが、標準ズームレンズなど小さめのレンズを使う際は、このスライドプレートを使って重心を前に持って行ける選択肢になります。
Leofoto NR-200の特徴
Leofoto NR-200は多目的スライドプレートになり、パノラマ撮影にも使用される選択肢です。全長227mm、幅38mm、重量170gのロングプレートで、プレート下側はアルカスイス互換のクイックリリースプレートになり、プレート表面側はカメラを設置するためのアルカスイス互換のクランプとなっています。
長さもしっかりあり、超望遠レンズなど大型レンズを使う際は、スライドプレートを使い人間(後ろ)寄りにしてバランスさせることも可能な仕組みです。小さめのレンズをリング式三脚座で使うときは、後ろ寄りのバランスを前にずらすこともできる選択肢になります。
用途別おすすめ機材の選び方
「自分の撮影スタイルにどの機材が合うか」を整理しました。
撮影スタイル別おすすめ機材ルート
| 撮影スタイル | 最初に検討する機材 | 次に検討する機材 |
|---|---|---|
| 手持ちポートレート中心 | 縦グリップ | L型ブラケット |
| 三脚で長時間露光 | リング式三脚座 | L型ブラケット |
| パノラマ撮影 | スライドプレート | リング式三脚座 |
| マクロ撮影 | スライドプレート | L型ブラケット |
| 縦横を頻繁に切り替え | L型ブラケット | リング式三脚座 |
| 大型レンズ使用 | 縦グリップ | スライドプレート |
| 連射撮影が多い | 縦グリップ | リング式三脚座 |
| モータースポーツ | 縦グリップ | L型ブラケット |
目的に合わせて選択
カメラ縦撮影に関するよくある質問
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まとめ:縦撮影は「手持ち×三脚×切り替え頻度」で機材を選ぶ
カメラの縦撮影サポート機材は、「手持ち or 三脚」「縦横の切り替え頻度」「グリップ感の重要性」の3軸で選ぶのが2026年現在の現実解です。1つの機材で全てをカバーできないため、自分の撮影スタイルに合う選択肢を見極めるのが重要なポイントになります。
迷ったときは、手持ちポートレート中心なら縦グリップ、三脚撮影中心ならリング式三脚座、両方を切り替えるならL型ブラケットを選ぶのが推奨ルートです。3つの機材は組み合わせて使うのが理想形で、撮影スタイルの成熟に応じて段階的に追加するのがコスパの高い選択肢になります。
煎じ詰めれば、縦グリップ・リング式三脚座・L型ブラケットの3点セットを揃えれば、あらゆる縦撮影シーンに対応できる体制が整うという結論です。本記事で紹介した主要メーカー製品から、自分のカメラに合う1本を見つけてみてください。
楽曲制作・マスタリング・音楽サブスクを編集部にて実機検証。クリエイター向けの実践的な情報を2020年から発信中


