カメラを固定する機材クランプの使い方

カメラを固定する機材クランプの使い方

UPDATED
2026.05.06
SOURCE
2026.05.06
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035/035C比較
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編集部レビュー済み

この記事でわかること
  • カメラを固定するクランプは「机やパイプを挟み込んでカメラを取り付ける」アクセサリー
  • 主な種類はスーパークランプ・マジックアーム付き・エレベーター付き・クランプヘッドなど7種
  • 用途別に「俯瞰撮影」「狭い場所」「超ローアングル」「屋外動物撮影」「車内撮影」の5パターンに対応
  • 万能の組み合わせは「Manfrotto 035スーパークランプ+マジックアーム」で耐荷重15kg
  • 主要メーカーはManfrotto・Leofoto・Ulanzi・SmallRigの4社で、価格と品質のバランスで選ぶ
  • 動画の広告収益を著作権者に持っていかれない(ただ働きにならない)BGM選びが収益化加速の隠れた要点
💡
クランプを使った撮影スキルが上がってくると、自然と動画撮影にも手を出したくなる――そんなときに思わぬ落とし穴になるのが、フリーBGMの著作権問題です。撮影と編集に何時間もかけて完成させた動画でも、楽曲側に著作権Claim(クレーム)が付くと、その動画の広告収益は丸ごと著作権者に持っていかれます。せっかく機材を揃え、クランプで工夫して撮影した動画なのに、収益は他人のものになる――いわばただ働き状態。最初から安全な音源を使っておけば、この理不尽な事態は避けられます。

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「三脚が広げられない狭い部屋で、どうやってカメラを固定すればいいのだろうか――」「真上から机の小物を撮影したいが、三脚では届かない」――こうした悩みを抱えたことはないだろうか。撮影のシーンが広がってくると、三脚だけでは対応しきれない場面が出てくるのではないだろうか。

そんなときに頼りになるのが「クランプ」と呼ばれる固定アクセサリー。机やパイプ、三脚の脚などに挟み込んで、カメラや照明を任意の場所に固定できる便利な道具だ。

筆者は撮影と動画編集に5年以上関わってきましたが、室内撮影や物撮りで躓くポイントの多くは「カメラの固定」に集約されます。三脚だけでは届かない位置・角度を実現するには、クランプの活用が一番の近道となる。本記事では、クランプの種類から具体的な使い方、おすすめモデルまでを順に整理していきます。動画撮影への発展も視野に入れている方は、ArtlistとEpidemic Soundを9軸で徹底比較した記事もあわせて目を通しておくと、後で楽になるはずです。

結論:万能なのは「Manfrotto 035スーパークランプ+マジックアーム」の組み合わせ

クランプ選びの結論を一言でまとめると、「Manfrotto 035スーパークランプ+マジックアーム」が万能の組み合わせとなる。挟み込み13〜55mm・耐荷重15kgの基本性能と、自由な角度調整を実現するマジックアームの組み合わせで、ほぼすべての撮影シーンに対応できる。

用途 推奨セット 理由
基本セット Manfrotto 035+マジックアーム 耐荷重15kgでカメラを安心して固定・角度自由
俯瞰撮影 エレベーター付き+スライディングアーム 真上からの撮影でエレベーターの足が映り込まない
超ローアングル クランプヘッド+三脚の脚 地面ギリギリの撮影に対応
背景紙の固定 スプリングクランプ 軽量で着脱が容易

メインのクランプ1本+マジックアームを揃えるだけで、撮影の自由度は一気に上がる。ここから先は、その「クランプ」自体の基礎から順に分解していきます。

カメラを固定するクランプとは

クランプとは、机・パイプ・三脚の脚などに挟み込んで、カメラやライト・マイクを固定するためのアクセサリーだ。三脚を立てるスペースがない場所でも、クランプを使えば机に挟むだけで安定した撮影ができるようになる。

クランプには通常、1/4インチ・3/8インチのネジ穴16mmの六角ソケットが空いており、スピゴット(接続用ピン)やスタッドを介してカメラに接続する仕組みになっている。さらに、クランプに自由雲台やクイックリリースシステムを取り付けることで、カメラの角度調整や脱着が簡単に行えるようになる。

物撮り・テーブルフォト・YouTube向け動画撮影など、現代の撮影スタイルでは三脚だけでは対応しきれないシーンが多い。クランプを1〜2本持っておくだけで、撮影の自由度が格段に上がるはずだ。

カメラ用クランプ7種類の特徴と比較表

整理すると、カメラ用クランプは主に7種類に分けられる。それぞれ得意なシーンが異なるため、自分の撮影スタイルに合わせて選ぶのが現実的だ。

種類 俯瞰撮影 角度調整 主な用途
スーパークランプ × × 机・パイプへの基本固定
マジックアーム付きクランプ 俯瞰撮影・自由な角度調整
エレベーター付きクランプ × × 高さ調整が必要なシーン
パイプクランプ × × パイプ同士の接続
クランプヘッド × 超ローアングル撮影
ダブルスーパークランプ × パイプを横方向に固定
スプリングクランプ × × 背景紙の固定・軽量機材

7種類すべてを揃える必要はなく、撮影シーンに応じて2〜3種類を組み合わせるのが現実的でしょう。次の章で、それぞれの特徴を順に見ていきます。

各クランプの詳細解説と使い分け

ここからは、7種類のクランプそれぞれの特徴と使い分けを詳しく見ていきます。最も基本となるスーパークランプから順に整理していきます。

スーパークランプ(最も基本のクランプ)

スーパークランプは、ハンドルを使って開口部を開閉し、机やパイプに固定するタイプの最も基本的なクランプ。挟み込み幅は13〜55mmで、耐荷重は15kgが標準的だ。

クランプには1/4インチ・3/8インチのネジ穴と六角ソケットが空いており、スピゴットやスタッドを介してカメラと接続する。ただし挟み込んだ机やパイプに傷が付いたり跡が残ることがあるため、傷を付けたくない素材には付属のウェッジ(プラスチック製のクッション)を使うか、間に布を挟むなどの工夫が必要となる。

マジックアーム付きスーパークランプ

マジックアーム付きスーパークランプは、スーパークランプにマジックアームを組み合わせたタイプ。これにより、カメラの角度を自由自在に調整できるようになり、真上からの俯瞰撮影も手軽に実現できる。

小型のマジックアーム付きクランプなら、車のヘッドレストパイプに挟み込んで車内からの撮影にも使える。一台で多用途に対応できるため、最初に揃える1本としても優秀な選択肢となるでしょう。

エレベーター付きクランプ

エレベーター付きクランプは、机などに固定したうえで、三脚のエレベーター機能のようにカメラの高さを垂直方向に調整できるタイプ。テーブルフォトやマクロ撮影で重宝する。

ただし真上から撮影する俯瞰撮影では、エレベーターの足下が写り込んでしまうデメリットがある。後述するスライディングアームを併用すれば、この問題は回避可能だ。

クランプヘッド(雲台付きクランプ)

クランプヘッドは、雲台が組み込まれたクランプ。三脚やその他のパイプに取り付けることで、超ローアングルでの撮影が可能になる。

ヘッドは上下方向と回転方向に動かせるため、微細な角度調整も対応できる。高さの調整は、クランプの取り付け位置を変更することで行う仕組みだ。

ただし製品によって取り付け可能なパイプ径が異なるため、三脚の脚の太さを事前に確認する必要がある。三脚下部の脚は細くなっている場合が多いため、取り付けが難しいケースもある点には注意したい。

ダブルスーパークランプ

ダブルスーパークランプは、二つのスーパークランプが一体となった形状で、パイプを横方向に固定するのに適している。Manfrotto 038が代表的なモデルで、2つのクランプを互いに90°の角度で固定できるのが大きな特徴だ。

重量機材を安心して固定できる強度を持ちながら、本体重量は約1,050gと扱いやすい範囲に収まっている。スタジオ撮影でクロスバーを組み立てるシーンで特に重宝する一本となる。

スプリングクランプ

スプリングクランプは、洗濯ばさみのようにスプリングの力でパイプやその他の物を挟む仕組みのクランプ。カメラの固定だけでなく、背景紙の固定などにも多用途で使える。

着脱が容易で軽量なため、頻繁に位置を変える撮影や、軽量機材の固定に向いている。ただし耐荷重は他のクランプより低めなので、重いカメラの固定には不向きとなる。

パイプクランプ

パイプクランプは、カメラを直接取り付ける目的ではなく、パイプ同士を接続するためのクランプ。

これを使うことで、カメラを取り囲む形でパイプを設置でき、モニターやマイクのクランプ取り付けにも対応できる。スタジオでの本格的なリギング(機材の組み上げ)に欠かせない裏方の存在だ。

クランプの取付場所と取付可能な機材

クランプの最大のメリットは、狭いスペースでも機材を確実に固定できる点にある。三脚を立てる場所がない室内や、不安定な屋外でも、クランプ次第で撮影が可能になる。

取付場所 具体例 向いている撮影シーン
三脚の脚 アルミ製三脚の脚部分 超ローアングル撮影
机・木 テーブル・木の枝 テーブルフォト・屋外動物撮影
ラックのパイプ スチールラック・カメラケージ モニター・マイクの追加固定
車のヘッドレスト 車内のヘッドレスト支柱 ドライブシーンの車内撮影

クランプに取り付けられる機材も多種多様で、カメラ本体だけでなく照明・マイク・レフレクター・自由雲台・クイックリリースシステムなど、あらゆる撮影機材に対応する。フレキシブルアームクランプを使えばレフレクターの取り付けも可能になり、撮影の自由度がさらに広がります。

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クランプの基本が見えたら、次は実際の撮影シーン別にどう使うかを見ていきます。

クランプで実現できる5つの撮影方法

クランプの真価は、三脚では対応できない撮影シーンで発揮される。整理すると、主に5つの撮影方法に活用できる。

真上から撮る俯瞰撮影

真上からの俯瞰撮影は、料理写真やテーブルフォト、フラットレイ撮影で多用される構図。マジックアーム付きスーパークランプを使えば、机に挟んでアームを伸ばすだけで真上からの撮影が可能になる。

スーパークランプ単体では真俯瞰は難しいが、マジックアームを組み合わせるか、エレベーター付きクランプにスライディングアームを追加することで実現できる。後者の方法なら、エレベーターの足下が写り込む問題も回避できる。

三脚が広げられない狭い場所での撮影

狭い部屋やキッチン、車内など、三脚を広げるスペースが確保できないシーンは少なくない。こうした状況では、机や近くのパイプにクランプを取り付けてカメラを固定するのが有効な解決策となる。

特に都心の狭いマンションやワンルームでの物撮りでは、クランプ1本で撮影環境が劇的に改善する。三脚を買い揃える前に、まずクランプで対応できないかを検討してみる価値はあるはずです。

三脚の脚に取り付ける超ローアングル撮影

三脚の脚にクランプヘッドを固定することで、地面ギリギリの超ローアングル撮影が可能になる。子供やペットの目線での撮影、地面の質感を強調したい商品撮影で力を発揮する。

ただし、カーボン製の三脚に挟み込むと割れてしまう可能性があるため、超ローアングル用途ではアルミ製の三脚を使うのが推奨される。カーボン三脚を愛用している場合は、別途アルミ製の脚パーツを用意するか、クランプヘッド対応の三脚を選ぶのが現実的でしょう。

木に固定して屋外動物撮影

屋外で野生動物を撮影する場合、三脚の設置が難しい場所が多い。森の中や河原、岩場など、足場の悪い環境では三脚を立てるだけでも一苦労となる。

そういった場面では、木の枝や太い幹にクランプを挟み込んでカメラを固定するのが現実的な対応となる。耐久性の高いManfrotto 035やトキスター TS-101-STなら、屋外の過酷な環境でも安心して使える。野生動物の自動撮影装置を組む際にも、クランプは三脚の代替として広く使われている。

車のヘッドレストに固定して車内撮影

旅行Vlog・ドライブ動画・車内ポートレートなど、車内からの撮影では小型のマジックアーム付きスーパークランプが活躍する。車のヘッドレストパイプに挟み込むだけで、運転席や助手席からの安定した撮影が可能になる。

スマホ用のマウントとは違い、一眼カメラやミラーレスもしっかり固定できるため、本格的な車内動画を撮りたい人には欠かせないアイテムとなる。

主要4社のクランプメーカー比較

クランプを製造するメーカーは多数あるが、品質と入手性の両面で安心できるのは主に4社だ。それぞれに価格帯と特徴があり、用途と予算で選び分けるのが現実的でしょう。

Manfrotto(マンフロット):定番中の定番

マンフロットはイタリアの写真機材メーカーで、三脚や雲台で世界的に知られている。クランプも長年の定番で、世界74カ国で販売されており、プロカメラマンの間でも根強い支持がある。

代表モデルの035スーパークランプは耐荷重15kg・挟み込み13〜55mmで、TÜV(ドイツの安全規格団体)の認証も獲得している。価格は約5,000〜7,000円で、品質を考えれば妥当な値段設定だ。

Leofoto(レオフォト):コスパ重視の選択肢

レオフォトは「良い物を安く」をモットーに掲げる中国のメーカー。アマチュアからプロまで幅広く使える製品作りを目指している。

代表モデルのMC-100マルチクランプは、T字ハンドル方式で耐荷重15kg・開口幅0〜123mmと、広い開口幅が魅力。Manfrottoの半額程度で買えるコストパフォーマンスの高さが評価されている。

Ulanzi(ウランジ):YouTuber向けの軽量モデル

ウランジは2015年創業の中国メーカーで、「Ulanzi」「VIJIM」「Falcam」「UUrig」という4つのブランドを展開している。VlogやYouTube向けの軽量・コンパクトな機材ラインナップが充実している。

代表モデルのR094は、耐荷重1.5kgと軽量機材向けだが、価格は2,000〜3,000円台と手頃。スマホやアクションカム、軽量ミラーレスを固定する用途には十分な性能を持つ。

SmallRig(スモールリグ):豊富なアクセサリー展開

スモールリグは2009年設立の中国メーカーで、カメラアクセサリーを中心に700種類以上の製品を製造している。開発スピードが早く、新しいカメラへの対応も迅速なのが強みだ。

代表モデルの2058は、簡易タイプで挟み込み15〜40mmの軽量モデル。価格は2,000円台で、ガジェット系YouTuberに人気の選択肢となっている。

📷 過去動画の広告を守る音源
契約期間中の動画は解約後もそのまま使用可

おすすめのスーパークランプ:Manfrotto 035と035Cの違い

スーパークランプの定番であるManfrotto製品には、035と035Cの2モデルがある。基本性能は同じだが、ハンドル機構の違いで使い勝手が変わってくる。

項目 Manfrotto 035 Manfrotto 035C
ハンドル方式 通常タイプ(回転式) ラチェット式
挟めるパイプ径 13〜55mm 13〜55mm
耐荷重 15kg 15kg
重量 約430g 約500g
価格目安 5,000〜7,000円 4,000〜7,000円
強み シンプルな構造で故障しにくい 壁際でもハンドル操作がしやすい

035と035Cの選び分けポイント

両者の違いはハンドル機構のみ。035は通常の回転式ハンドルで、開口幅の調整にハンドルを大きく回す必要がある。一方の035Cはラチェット式ハンドルを採用しており、ハンドル回転方向に障害物があっても操作できるのが特徴だ。

筆者の使い方なら035でも問題ないが、壁際や狭い場所での撮影が多いなら035Cが圧倒的に使いやすいでしょう。価格差も小さく、機能差を考えれば035Cを選ぶのが無難な選択となる。

035シリーズが選ばれる4つの理由

Manfrotto 035シリーズが長年愛用される理由を整理すると、以下の4点に集約される。抜群の安定性と高い耐荷重(15kg)、壁際でもレバー角度を調整できる使いやすさ、そしてイタリア製ならではの丁寧な作りが、価格以上の価値を提供している。

クランプの安定性は、撮影機材を守るうえで最も重要な要素となる。「安かろう悪かろう」のクランプを選んで、機材が落下する事故が起きれば、修理代でクランプ何個分にもなる。最初の1本としては、Manfrotto 035シリーズが安心感の面で圧倒的に優れている選択肢だ。

クランプと組み合わせると便利な3つの機材

クランプ本体だけでは実現できないシーンも、組み合わせる機材次第で対応の幅が一気に広がる。整理すると、押さえておきたいのは以下の3つの機材だ。

マジックアーム(角度調整の万能道具)

マジックアームとは、3つのジョイントを1つのハンドルで一括して締められるアーム。スーパークランプにマジックアームを組み合わせることで、俯瞰撮影や自由な角度調整が一気に可能になる。

Manfrotto 244Nが定番モデルで、強い固定力と微調整のしやすさを両立している。クランプと一緒に揃えておくべき機材の筆頭となる。

スライディングアーム(俯瞰撮影の強力な味方)

スライディングアームは、エレベーター付きクランプやロッドクランプと組み合わせることで、俯瞰撮影でエレベーターの足下が写り込まないセッティングが可能になる。

エレベーターの先端にスライディングアームを取り付け、前にせり出すように設置することで、足下を画角から外しながら真俯瞰の撮影が実現する。テーブルフォトやフラットレイ撮影では、これがあるかないかで撮影のクオリティが大きく変わってくる。

フレキシブルアーム(柔軟な配置の自由度)

フレキシブルアームは、どの箇所からも自由に変形させられる蛇腹状のアーム。遮光板やレフレクター、軽量なライトの取り付けに重宝する。

固定力は他のアームより弱いが、その分柔軟な配置が可能なため、補助的な機材を取り付ける用途に向いている。マジックアームでは届かない位置や、繊細な角度調整が必要なシーンで力を発揮するアイテムだ。

🎯 著作権Claimなく動画を作る
YouTube公認音源で広告収益を守る

クランプと組み合わせ機材の輪郭が見えたら、撮影の発展先として「動画も撮影する」というステップが視野に入ってくる。ここで重要になるのが、見落とされがちな別のリスクだ。

動画の広告収益を「ただ働き」にしないBGM選び

クランプを駆使した撮影スキルが上がってくると、自然と動画撮影にも手を出したくなる。商品紹介動画、テーブルフォトのHow-to動画、車内Vlog――せっかく揃えた機材を活かして、YouTubeに投稿してみたくなるのは自然な流れだ。

ただし、ここで見落とされがちなのが「BGMの著作権リスク」。フリーBGMサイトの楽曲を使うと、サイト側がライセンス方針を変更したり、原作者が後から権利を主張したりすると、過去動画にまで遡って著作権Claimが入ることがある。Claimが付くと、その動画の広告収益はクリエイターではなく権利者に分配される――いわゆる「ただ働き状態」になります。

例えば、半年かけて編集した10万再生の動画でClaimを受けると、本来5,000〜7万円入るはずの広告収益が他人の懐に入る。撮影と編集の時間と手間を投じても、収益は1円も手元に残らない。これが、動画運用で見落とされがちな最大のリスクとなる。

「ただ働き」を防ぐためにArtlistという選択肢

筆者がフリーBGMから有料サブスクへ切り替えた最大の理由は、この「ただ働き状態」を構造的に避けたかったから。Artlistのような有料サブスクは、月額1,800円〜(年間プラン)で30,000曲以上の楽曲が商用利用OKになる。

項目 フリーBGMサイト Artlist
楽曲数 サイトにより数百〜数千曲 30,000曲以上
商用利用 サイトにより異なる 全プラン対応
著作権Claim対策 事後対応・サイト側のサポートなし YouTubeの著作権検出システムに公式登録済み
契約終了後の動画 サイト次第 契約期間中の公開動画は永続的にカバー
月額(年払い時) 無料 1,800円〜

特に重要なのは「契約終了後も動画が守られる」点だ。Artlistの場合、契約期間中に公開した動画は解約後も継続的にライセンスがカバーされる。これは、長期的に動画運用を続けるクリエイターにとっては精神的な安心材料となるはずだ。

逆に言えば、無料BGMで節約した数百〜数千円のために、1動画分の広告収益(数千〜数万円)を失うのは合理的ではないでしょう。Artlistには2ヶ月無料で試せる体験プランもあるため、まずはArtlistの無料体験を解説した記事で実際の使い勝手を確認してみるのが現実的なステップとなる。

個人YouTuber
商品撮影系チャンネル運営
個人
Artlist Music & SFX Pro・2年

クランプを使った俯瞰撮影で商品レビュー動画を投稿し始めて1年目くらいに、過去動画10本にまとめて著作権Claimが入りました。フリーサイトの楽曲だったんですが、提供元がライセンス方針を変えたみたいで、過去動画の広告収益が突然ゼロになったんです。月にして3万円ほどでしたけど、半年分の収益が一気に失われた感覚で、本当にショックでした。それからArtlistに切り替えて、今は月1,800円の安心料だと思って継続しています。

ここまでで主要な疑問は片付いた。残るは細かなFAQです。

クランプに関するよくある質問

Manfrotto 035C(ラチェット式ハンドル版)がおすすめです。耐荷重15kg・挟み込み13〜55mmの基本性能を備え、壁際でもハンドル操作がしやすいラチェット機構が搭載されています。価格は4,000〜7,000円で、長く使える耐久性を考えれば妥当な投資です。さらに角度調整が必要ならマジックアームを併せて買うと、撮影の自由度が一気に広がります。

カーボン製の三脚に強くクランプを挟み込むと、カーボンが割れる可能性があります。超ローアングル用途でクランプヘッドを使うなら、アルミ製の三脚を別途用意するか、カーボン三脚専用の対応モデルを選ぶのが安全です。値段の高いカーボン三脚を破損させるリスクを考えれば、慎重な対応が望ましいでしょう。

両者の違いはハンドル機構のみです。035は通常の回転式、035Cはラチェット式となります。壁際や狭い場所での撮影が多いなら035C一択、シンプルな構造を重視するなら035でも問題ありません。価格差は小さいため、機能性を考えれば035Cを選ぶのが無難な選択肢です。

近年は中華系メーカーの品質が大きく向上しており、Manfrottoと比べても遜色ない製品が多くあります。特にLeofotoは精密機械メーカーとして定評があり、コスパを重視するなら有力な選択肢です。ただし重量機材を固定する場合は、耐荷重と作りの精度を確認したうえで選ぶのが安全でしょう。

はい、付くことがあります。Manfrotto 035には付属のウェッジ(プラスチック製のクッション)があり、これを挟むことで傷を軽減できます。傷を完全に防ぎたい場合は、間に薄い布や養生テープを挟むのが現実的な対応です。賃貸物件や大切な家具に固定する際は、必ずクッションを挟むことをおすすめします。

最大の注意点は著作権です。フリーBGMサイトの楽曲は、提供元がライセンス方針を変更すると、過去に投稿した動画にまで遡って著作権Claimが入るリスクがあります。Claimが入ると広告収益が権利者に分配され、いわゆる「ただ働き状態」になります。継続的に動画運用するなら、ArtlistなどのYouTube公認音源が登録された有料サブスクへの切り替えが現実的です。

ここまで整理してきた話を、もう一度束ねてみる。

まとめ:クランプを使いこなして撮影の幅を広げる

カメラを固定するクランプの使い方を一言でまとめると、「Manfrotto 035スーパークランプ+マジックアーム」を最初に揃えるのが万能の選択肢。耐荷重15kgで耐久性も十分、角度調整も自由自在で、ほぼすべての撮影シーンに対応できる。撮影スタイルが固まってきたら、エレベーター付きクランプ・スプリングクランプ・スライディングアームなどを買い足していけば、撮影の自由度はさらに広がるはずだ。

ただし、クランプを使った撮影スキルが上がってきて動画撮影にも手を出すようになると、もう一段別のリスクが浮上する。フリーBGMの著作権Claimによる「ただ働き状態」は、動画運用を始めて初めて直面する隠れた落とし穴となる。月1,800円の安心料で、1動画あたりの広告収益(数千〜数万円)を守れるのなら、合理的な選択肢として検討する価値があると思う。

クランプを揃え、撮影シーンを工夫し、編集を覚え――そうやって積み上げてきた撮影スキルを、最初から動画の広告収益を「ただ働き」にしないで済む環境で活かしていくのが、長く続けるための一番の近道なのかもしれない――そう思う。なお、ArtlistEpidemic Soundのどちらが自分の制作スタイルに合うか迷う場合は、有料BGMサブスク12社を比較した記事もあわせて読んでおくと、判断が早くなるはずだ。

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この記事の監修
Hoipoi編集部
音楽制作・動画マーケティング編集部

楽曲制作・マスタリング・音楽サブスクを編集部にて実機検証。クリエイター向けの実践的な情報を2020年から発信中。

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