- Epidemic Soundの無料プラン中に商用利用するには、登録時に「Pro Plan」を選んでおく必要がある
- Creator Planの無料プランでは、自分のチャンネル収益化はOKだが、クライアントワークなどの商用利用は不可
- 解約後は、無料プラン中に公開済みの動画はそのまま残せるが、ダウンロード済み素材を新規動画に使うのは不可
- 同一チャンネル/SNSアカウントで2度目の無料プランは利用できない仕組みがある
- 商用利用と契約終了後の継続利用を重視するなら、Artlistの方が制度設計上は有利な場面がある
「Epidemic Soundの30日間の無料プランでダウンロードした素材を、クライアント案件にも使ってしまっていいのか」――これは、商用案件に音源サブスクを取り入れたい動画クリエイターが契約前に必ず確認しておきたいポイントです。
結論から言えば、答えは「契約時に選んだプランによって変わる」。同じ無料プランでも、登録時のプラン選択によって商用利用の可否がまったく違ってきます。
筆者は映像制作の現場でArtlistとEpidemic Soundの両方を5年以上使ってきましたが、ライセンスの線引きを把握しないまま使い始めて後から困るケースを何度か見てきました。本記事では、2026年時点の公式規約をベースに、Epidemic Soundの無料プランと商用利用の関係を整理していきます。なお、両サービスの楽曲数・ライセンス範囲・料金体系の違いを総合的に比較したい場合は、ArtlistとEpidemic Soundを9軸で徹底比較した記事もあわせて参考にしてください。
結論:Epidemic Soundの無料プランで商用利用するには「Pro Plan選択」がカギ
Epidemic Soundには30日間の無料プランがあり、登録時にどのプランを選ぶかで利用範囲が決まります。商用利用したいなら、選ぶべきは「Pro Plan」です。
Creator Planの無料プランでは、自分のYouTubeチャンネルやSNSアカウントへの投稿は問題ありませんが、外部から請け負ったクライアントワークや有料広告などの商用利用はできません。一方Pro Planの無料プランなら、フリーランスとしての受託案件にも音源を使えます。
- Pro Planで登録すればクライアントワークOK
- Pro Plan無料期間中に公開した動画は解約後もそのまま使用可能
- オンライン用途(YouTube/SNS/ウェブサイト/有料広告)はPro Planの範囲
- Creator Plan無料期間中は個人チャンネルのみ・商用案件には使えない
- テレビCM・映画館上映・大企業案件はEnterprise Planが別途必要
- 無料期間中もチャンネル/SNSの紐付け作業は必須
ここからは、各プランの違いと、無料プランを商用利用に活用する具体的な条件を順番に確認していきます。
Epidemic Soundの料金プランと商用利用範囲(2026年最新版)
Epidemic Soundには現在、用途規模に応じた4種類のプランが用意されています。プラン名は過去に大きく変わっており、「Personal」「Commercial」という旧名称で覚えている方は要注意です。
Epidemic Sound 料金プラン全体像(2026年最新版)
| プラン名 | 主な対象 | 商用利用 | チャンネル/SNS数 |
|---|---|---|---|
| Creator | 個人クリエイター | 不可(自分のチャンネル収益化はOK) | 各プラットフォーム1つ |
| Pro | フリーランス・中小事業 | 可(オンライン用途) | 各プラットフォーム3つまで |
| Business | 中規模企業・エージェンシー | 可(拡張範囲) | カスタマイズ |
| Enterprise | 大企業・テレビ局・出版社 | 可(テレビ・映画含む) | カスタム契約 |
※プラン名は2024年に大幅刷新。旧Personal→Creator、旧Commercial→Proに改称されています。
筆者が現場で見てきた感覚では、個人のYouTuberやSNS発信者のほとんどがCreatorプランで足り、フリーランスとして他社からの受注を受けているならProプランへ、というのが基本ラインです。テレビ番組や映画館で流す可能性がある案件はEnterpriseが必須なので、心当たりがある場合は契約前に必ず公式へ問い合わせておくのが安全です。
Creator Plan:個人YouTuber向けで商用利用はカバーされない
Creator Planは個人クリエイター向けで、自分のYouTubeチャンネルやSNSアカウントに投稿する動画にEpidemic Soundの音源を使えます。チャンネルの収益化(YouTubeパートナープログラムでの広告収益を含む)自体は問題ありません。
一方で、外部から請け負った動画編集(クライアントワーク)や、ブランドが出稿する有料広告、企業のオウンドメディアなどで使うことはできません。「自分の発信で稼ぐのはOK、他社の発信を手伝う仕事に使うのはNG」と整理すると分かりやすいでしょう。
なお、各SNSプラットフォームにつき1チャンネル/アカウントまでという制限もあるため、複数チャンネル運営者は次のProプランの方が現実的です。
Pro Plan:フリーランス・受託案件で使うならこちら
Pro Planはフリーランスや中小事業者向けで、クライアントワークを含む商用利用に対応しています。クライアントのYouTubeチャンネルにアップロードする動画にも、自社の有料広告にも、ウェブサイトのBGMにも使用できます。
各プラットフォームにつき3チャンネルまで紐付けられるので、自分のチャンネル、案件A用チャンネル、案件B用チャンネルを1契約でカバーできるイメージです。フリーランス側がPro Planを契約していれば、クライアント側はEpidemic Soundを契約しなくても、編集者が選曲した音源を使った動画を公開できます。
ただしPro Planでも、テレビ放送(番組・CM)や映画館での上映といった、いわゆる「ブロードキャスト用途」はカバーされません。これらが絡む案件は次のBusinessまたはEnterpriseが必要です。
商用利用範囲の線引きはサービスごとに微妙に異なるので、Artlist側のライセンス範囲も比較対象として把握しておきたい方は、Artlistの著作権・商用利用ライセンスを徹底解説した記事でクライアントワーク・広告・放送への対応可否を整理しています。
Business / Enterprise:中〜大規模事業向けの上位プラン
Businessは50名超の組織やクリエイティブエージェンシー向け、Enterpriseはテレビ局・映画製作会社・大手出版社向けで、いずれも公式へ問い合わせのうえカスタム契約となります。テレビCM、テレビ番組、映画館上映、大規模ブランドキャンペーンなど、Pro Planの範囲を超える用途はこちらが対象です。
無料プラン中に商用利用するための具体的な条件
Pro Planの無料プランで実際に商用案件に音源を使うには、いくつかの手順を踏んでおく必要があります。「ダウンロードできた=どこでも使える」ではない点が要注意です。
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Pro Planで無料プランに登録 所要3分
登録時のプラン選択画面で必ず「Pro」を選ぶ。Creator Planで登録すると後から商用利用に切り替えるには有料プラン契約が必要になる。
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クレジットカード情報を登録 所要1分
無料プラン開始時にクレジットカード情報の入力が必須。30日以内に解約すれば課金はされない。
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使用予定のチャンネル/SNSアカウントを紐付け 所要3分
アカウントページで使用するYouTube・Instagram・TikTok等のチャンネルを登録する。紐付け前の動画公開は著作権Claim対象になる可能性あり。
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クライアント案件には「Clear a video」または「Create invite」を活用 所要2分
自分のチャンネル以外(クライアントのチャンネル)で公開する場合は、動画URLを直接登録するか、招待リンクを発行する。
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30日経過前に解約判断 所要1分
継続するなら何もしない、解約するなら期間終了の数日前にアカウントページから手続きを行う。
クレジットカード登録は必須・自動更新に注意
Epidemic Soundの無料プランは、登録時にクレジットカード情報の入力が必要です。30日以内に解約すれば課金は発生しませんが、解約を忘れると自動的に有料プランへ移行します。無料で試したいだけの場合は、登録した瞬間にカレンダーで30日後の数日前にリマインダーを入れておくのが現実的な対策です。
使用前にチャンネル/SNSアカウントの紐付けを行う
Epidemic Soundの音源を著作権Claimなしで安全に使うためには、Epidemic Soundのアカウントページで使用予定のチャンネルやSNSアカウントを登録しておく必要があります。
無料プランでも、紐付け済みのチャンネルにアップロードした動画であれば、Epidemic SoundのCMS(YouTube Content ID等)が自動的にクリアしてくれる仕組みです。紐付けを忘れたまま動画を公開すると、自分のチャンネルにもかかわらず著作権Claimが入る可能性があるので、必ず先に登録しておきましょう。
クライアント案件には「Clear a video」または「Create invite」を活用
Pro Planなら、自分が紐付けたチャンネル以外、つまりクライアントのチャンネルで公開する動画もクリアできます。Epidemic Soundのアカウント画面から、動画URLを直接登録する「Clear a video」機能や、クライアントへ招待リンクを送る「Create invite」機能を使えば、納品先の動画も著作権保護の対象にできます。
商用案件で納品した動画でクレームが入る事態を避けるためにも、納品前にこの紐付け作業を済ませておくのが鉄則です。
知らないと損する:無料プランの3つの落とし穴
Epidemic Soundの無料プランを使うとき、契約前に把握しておくと後悔を避けられるポイントが3つあります。
落とし穴①:解約後はダウンロード済み素材を新規動画に使えない
無料プラン中にダウンロードしておいた音源は、解約後に新しく公開する動画には使えません。この点は誤解されやすいので注意が必要です。
ただし、無料プラン中に既に公開済みの動画はそのまま残しておいて構いません。ライセンスは「公開時点で有効な契約があったかどうか」で判定されるため、その時点でカバーされていた動画は契約終了後も問題なく公開し続けられます。
つまり「解約後の動画に使うために、解約前に大量ダウンロードしておく」という運用はライセンス違反になるので避けてください。
落とし穴②:自動更新の罠
クレジットカード登録ありの無料プランは、解約しないと30日後に自動課金されます。これはサブスク全般のあるあるですが、Epidemic Soundの場合はProプランの月額が決して安くないため、うっかり継続課金されるとそれなりの出費になります。
「使ってみたけど合わなかった」と判断したら、有料移行日の前に必ずアカウントページから解約手続きを済ませましょう。解約後も期間終了まではアクセスできるため、最終日まで素材を試用する分には問題ありません。
落とし穴③:同一アカウントで2度目の無料プランは使えない
「メールアドレスを変えれば無料プランをもう一度使える?」と考えがちですが、Epidemic Soundは紐付けたチャンネル/SNSアカウントベースで管理しているため、同じYouTubeチャンネルを使う限り2度目の無料プラン適用は受けられません。
新しいメールアドレスでアカウントを作っても、同じYouTubeチャンネルを紐付けようとすると弾かれる仕組みです。1回の無料プランで判断する前提でじっくり試用するのが正解です。
商用利用ならArtlistという選択肢も検討する価値がある
ここまでEpidemic Soundの無料プランを見てきましたが、商用利用が前提なら同じ価格帯の競合サービス、Artlistも比較対象に入れておく価値があります。実際の利用者の声や5年使った筆者の総合評価については、Artlistの口コミ・評判を5年使った感想で解説した記事に詳しくまとめているので、サービスの実態を多角的に把握したい方はあわせてご覧ください。
Music & SFX Pro:商用利用×複数チャンネルでArtlistを選ぶ理由
ArtlistのMusic & SFX Proは、Epidemic SoundのPro Planと同じく商用利用OK・複数チャンネル対応のプランです。料金は音楽のみで年額31,080円、音楽+SFXで年額46,680円となっており、Epidemic SoundのProとほぼ横並びの価格帯です。
Epidemic Sound Pro と Artlist Music & SFX Pro の比較
| 項目 | Epidemic Sound Pro | Artlist Music & SFX Pro |
|---|---|---|
| 商用利用 | 可(オンライン用途) | 可(オンライン+放送・テレビも可) |
| チャンネル数 | 各プラットフォーム3つまで | 制限なし(無制限) |
| 楽曲数 | 50,000曲以上 | 30,000曲以上 |
| SFX数 | 200,000以上 | 音楽+SFXプランで利用可 |
| 料金(年額・参考) | 約29,400円 | 音楽のみ31,080円〜 |
| 無料お試し | 30日間(クレカ登録必要) | 2ヶ月延長特典(年間プラン申込時) |
| 契約終了後の継続使用 | 公開済み動画のみ可 | 契約期間中に公開した動画は永続的にカバー |
※2026年5月時点の公開情報をもとに編集部が整理。料金は為替変動の影響を受けるため、最終確認は各公式サイトで行ってください。
Epidemic Soundの強みは楽曲・効果音の絶対数の多さで、特に効果音は群を抜いています。一方Artlistの強みはライセンス設計のシンプルさと、クライアントワーク時のチャンネル数制限のなさです。
Artlistの「契約終了後も使える」という制度的な強み
サブスク型音源サービスの落とし穴の1つに、「契約を続けないと過去動画も巻き込まれる」というリスク認識があります。これはArtlistもEpidemic Soundも、契約期間中に公開した動画については解約後も継続して公開できる設計です。
ただしArtlistの場合は、契約期間中に公開した動画のライセンスを「永続的にカバーする」とライセンス文書で明確に示しています。クライアントへ納品した動画が、自分のサブスク契約状態に左右されない構造になっているのは、商用案件を継続的に受注しているフリーランスや制作会社にとっては精神的な安心材料になります。
加えて、Artlistの音源はYouTube Content IDに公式登録されており、Clearlist連携で個人チャンネル・クライアントチャンネルともに著作権保護を受けられる仕組みです。「3振制度(Copyright Strikes 3回でチャンネル削除)」という最悪のリスクを回避するうえで、制度的に保護された音源を選ぶ意味は商用利用では大きくなります。
体験談:商用案件で音源サブスクを併用するクリエイター
Epidemic Soundの無料プランと商用利用に関するよくある質問
まとめ:無料プランで商用利用するならPro Plan、長期運用ならArtlistも視野に
Epidemic Soundの無料プランで商用利用したい場合、ポイントは登録時に必ず「Pro Plan」を選ぶこと。Creator Planの無料プランではクライアントワークがカバーされないため、商用案件に使えば規約違反となります。
無料プラン中の動画は解約後も公開し続けられますが、ダウンロード済み素材を解約後の新規動画に使うのは不可です。商用利用を継続的に行う前提なら、解約と新規契約を繰り返すよりも、年間プランで安定運用する方が現実的でしょう。
商用利用×複数チャンネル運用で、契約終了後の安心感まで含めて検討するなら、Artlist Music & SFX ProはEpidemic Soundと同価格帯の有力な選択肢です。両方の無料体験を試して、自分の制作スタイルに合う方を選んでみてください。なお、今回はEpidemic SoundとArtlistの2社を中心に解説しましたが、AudiostockやMotionElementsなど他の選択肢も含めて検討したい方は、有料BGMサブスクを比較した記事で12社の特徴と料金を整理しています。
映像・楽曲制作に携わるプロフェッショナル編集部。Artlist・Epidemic Sound・Audiostockなど主要なBGMサブスクを実機検証し、ライセンス規約の原文チェックも含めた監修記事を80本以上公開しています。

