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Hoipoi MAGAZINE

TikTokのBGMはビジネス利用できる?企業アカウントの音楽・著作権を解説

UPDATED 2026.11.02
SOURCE 一部未確認
SURVEY 権利確認
REVIEWS 編集部比較

企業のTikTokで使うBGMは、無料の商用楽曲ライブラリ(CML)か、企業の用途に必要な許諾を取得した音源から選びます。無断使用では動画がミュート・公開不可になる場合があり、広告やブランド動画の訴求を損なうおそれがあります。TikTokだけの投稿ならCMLで十分な場合もあります。一方、InstagramリールやYouTube Shortsへ同じ動画を展開する企業は、投稿先すべてで使えるライセンスを確保してください。その音源を編集時に入れた共通マスターを作る方法をおすすめします。
企業向けBGMの選び方を比較する ※複数SNS・広告・クライアント案件での使用条件を確認する比較記事です。

採用動画、商品紹介、店舗のキャンペーン、広告用の縦型動画。企業がTikTokを運用するとき、動画の雰囲気に合う曲を探すことばかりに目が向きがちです。しかし、BGMは選曲だけで終わりません。企業が使う権利はあるか、広告に転用できるか、同じ動画をInstagramやYouTubeに投稿できるかまで考える必要があります。

ここでは、TikTokに備わっている音楽を後から付ける方法と、適切にライセンスを取得したBGMを編集段階で組み込む方法を比較します。「有料なら絶対安全」「無料なら危険」という単純な話ではなく、企業の運用目的に合わせて判断できるように整理します。

企業動画で著作権を軽視すると何が起こる?

最も直接的な問題は、動画を公開できない、公開後に音声が消える、音源の差し替えが必要になることです。TikTok公式は、著作権の制限などにより音源を削除することがあり、その場合は動画がミュートされると説明しています。TikTok Oneのブランド案件では、必要な許諾がない音楽を含む動画が審査で差し戻されることもあります。

企業のBGMトラブルと実務への影響

起こり得る問題企業にとっての影響安全策
動画の音声がミュートナレーションや演出が伝わらない場合がある権利を確認し音源を差し替える
ブランド案件の差し戻し公開日・広告日程がずれる提出前に音源と用途を照合
他SNSで権利不一致媒体ごとに再編集・再投稿が必要配信先を含む許諾を用意
問い合わせ・指摘への対応説明・確認・制作の工数が発生曲名、契約、許諾証憑を保存

左列は起こり得る事象、右列は編集部による運用上の影響整理です。すべての事例で発生するという意味ではありません。

商品紹介の動画が途中から無音になれば、伝えたかった印象やメッセージが弱まります。公式アカウントで権利上の指摘が起きれば、視聴者や取引先から管理体制を不安視される可能性もあります。これは必ず企業イメージが低下するという実測結果ではなく、ブランド運用上の避けたいリスクです。だからこそ、投稿前に権利を揃える価値があります。


人気曲がアプリの検索結果に表示されること、個人アカウントから投稿できること、クレジットを載せることは、企業向け商用利用の許諾を得た証明にはなりません。無断音源を音量ゼロにして隠すような対応ではなく、必要な権利を確認してください。

TikTok内の無料BGMを後付けする方法と限界

TikTokの商用楽曲ライブラリ(Commercial Music Library、CML)は、企業の通常投稿や有料コンテンツ向けの楽曲を探せる無料の仕組みです。ビジネスアカウントでは、新規動画の「サウンドの追加」から商用楽曲を選べます。楽曲・地域・掲載場所などの条件は、各音源について確認してください。

  1. 投稿目的を決める 編集前

    会社紹介、商品PR、広告配信などを確認し、配信地域も決めます。

  2. TikTokでCMLを開く 投稿時

    新規動画の「サウンドの追加」から商業利用可能な音楽を探します。

  3. 楽曲の用途を確認する 選曲時

    地域、プレースメント、長さなどの条件に合う曲を選びます。

  4. 公開前に記録する 投稿前

    曲名、利用日、対象投稿、適用条件を保存しておきます。

CMLの候補曲を地域、掲載先、長さの条件で絞り、最後に曲ごとの利用条件を確認するファネル図。

詳しい操作はTikTok公式のCML利用ガイドに掲載されています。TikTokだけに投稿する企業が、必ず有料音源を買う必要はありません。企画と楽曲が合い、CMLの利用条件を満たすなら、無料のままで合理的に運用できます。

複数のSNSを運用すると、後付けBGMの問題が大きくなる

TikTok企業運用のBGMの選び方を、TikTokのみの投稿と複数SNSへの展開に分けて比較した図

CMLはTikTok向けの音源です。TikTok公式は、商用音源をダウンロードして他のプラットフォームに再投稿しないよう案内しています。したがって、TikTokで完成させた「BGM付き動画」を、そのままInstagramリールやYouTube Shortsへ投稿できると考えるのは危険です。

加えて、TikTok内で音楽を後から選ぶと、Instagram用、YouTube用にも別の曲を選び直し、音量やナレーションとのバランス、カットのタイミングを媒体ごとに調整することになります。これは公式の禁止事項ではなく制作・運用上の負担です。流行曲を各SNSに合わせて使えるメリットはありますが、共通の広告クリエイティブを長期運用する目的では管理が複雑になります。

筆者
ホイポイマン
EDITOR'S NOTE

TikTokだけで完結するなら、CMLを使って投稿まで仕上げる方法は十分に実用的です。一方、同じキャンペーンを3媒体へ展開するなら、動画編集前にBGMの使用可能媒体を決めておいた方が、音源選びのやり直しを減らしやすくなります。

TikTok・インスタ・YouTubeを使うなら音源を共通管理する

企業が一つの動画をTikTok、Instagramリール、YouTube Shortsに展開するなら、まず3媒体に対応する音楽ライセンスを確認します。そのうえで、BGMとナレーションを編集ソフトで整えた「共通マスター」を制作すると効率的です。媒体ごとの再編集を減らすだけでなく、企業の動画に同じ音の印象を持たせやすくなります。

BGM入りマスター
使用許諾を確認した曲・効果音・ナレーションをまとめて編集した動画です。各SNSにアップロードする前に媒体ごとの権利と音声の挙動を確認します。
無音楽マスター
音楽を入れず、必要なナレーションや環境音だけを残した動画です。SNS内の公式音源を付け直す場合や、トラブル時の差し替えに使います。
ライセンス台帳
曲名・効果音名、取得日、契約プラン、使用主体、配信媒体、広告可否、ダウンロード記録、証明書を管理します。

この2種類のマスターを残しておけば、広告配信を後から追加するときや、運営側から音源の指摘を受けたときに、編集プロジェクトから作り直す負担を抑えられます。ただし、共通マスターに埋め込んだから各媒体の審査を通過できるわけではありません。音声認識による申し立ては、正しいライセンスがあっても起こることがあります。

Artlistの法人向け利用条件を見る ※企業・顧客案件はSocialプランの対象外。広告・媒体・従業員規模に合う契約区分を確認してください。

BGMだけでなく、効果音も公開先すべての許諾を確認する

曲の契約が適切でも、編集アプリで追加した効果音まで同じ権利で使えるとは限りません。場面転換の音、通知音、ジングルも素材ごとに確認します。BGMは外部サービス、効果音はSNS内の音源という組み合わせなら、それぞれの許諾が揃った媒体だけに公開してください。

BGM・効果音を共通利用する前の確認

確認項目BGMと効果音の両方で見ること
公開媒体各SNS・自社サイトなど予定先すべて
使用目的企業の通常投稿・商品PR・有料広告・顧客への完成動画納品
契約する主体自社・制作会社・顧客、会社規模と編集担当者の人数
素材の範囲音楽だけか、効果音も含むプランか
公開・再利用公開時期、契約終了後、再編集版や別案件への再利用条件
保管する記録素材名・取得日・契約プラン・許諾書・使用動画と投稿先

契約先と実際の案件条件を照合するための確認表です。購入だけで全用途が許可されるわけではありません。

ArtlistではMusic & SFX Proに音楽と効果音が含まれますが、Music Proには効果音が含まれません。音楽と効果音をまとめて選びたい企業は、素材の収録範囲と商用・広告・顧客案件のライセンスをセットで確認すると、契約後の買い足しや音の差し替えを避けやすくなります。完成動画の納品と、素材ファイルそのものを顧客へ渡すことも分けて確認しましょう。

編集プロジェクトではBGM・効果音・ナレーションを別トラックで保存し、必要に応じて個別の音声を書き出しておきましょう。素材の利用許諾に応じて差し替えられるようにし、音声ファイル自体を顧客へ渡せるかは別途確認します。

3つのSNSで使えるBGMの違い

アプリ内で使える曲は、必ずしも別のアプリへ持ち出せません。企業が同じ動画を使うなら、次の権利範囲を最初に比べてください。

企業のSNS動画で使う音源の比較

音楽の入手先主な対象媒体別媒体への転用運用上の特徴
TikTok CMLTikTok内× その許諾だけでは不可TikTok内で無料選曲
Meta Sound CollectionInstagram・Facebook× その許諾だけでは不可Meta内で商用音源を選ぶ
YouTube Shorts内の音楽YouTube内× その許諾だけでは不可Shorts内で音源を追加
外部の商用音源サービス○ 契約により複数SNS△ プランごとに確認編集段階で共通BGMを制作

○は各サービスの条件内で利用できる選択肢。△は対象曲・契約条件の追加確認が必要。×はその媒体の許諾だけでは他社SNSへ転用不可。媒体のライブラリを他社SNSへ持ち出すことは前提にしません。

TikTok公式はCMLをTikTok向けと説明しています。YouTube公式も、Shortsの音楽ライブラリにはショート動画固有のライセンス契約があると説明しています。Instagramの一般向け音楽ライブラリと、企業が広告に使う音源の許諾も同じではありません。無料の公式音源を媒体ごとに使い分ける方式も合法的な選択肢ですが、その場合は各媒体での選曲・確認を別々に行います。

有料BGMが企業のSNS運用で役立つ理由

有料素材の価値は「無料だと著作権違反になるから」ではありません。無料の公式音源でも、各媒体の許諾条件内なら使えます。有料BGMが役立つのは、媒体横断、納品、広告利用、素材管理を一つの制作工程に組み込みたいときです。

複数SNS
許諾された媒体で同じ曲を使い、動画の演出を揃えやすくします。
証明書管理
曲・契約日・使用範囲を保存し、権利照会に備えます。
顧客への納品
制作会社・広告主が使う媒体を確認して契約を選べます。
広告転用
通常投稿から広告へ移す予定なら、許諾を先に検討できます。

Artlistならどのプランでも企業の広告に使えるわけではない

Artlist公式によると、Music & SFX Proは商用コンテンツ、広告、クライアント案件などに対応するプランです。一方、Socialは個人クリエイター向けで、企業や顧客案件を対象にしていません。代理店(agency)・放送事業者(broadcaster)は、音楽・効果音素材の利用にMax Businessまたは個別Enterprise契約が必要です。従業員50人超の企業・法人、合計50人超の企業グループに属する会社も対象です。代理店・放送事業者には、この50人の条件を当てはめません。

また、正式にライセンスを取得していても自動判定による著作権申し立てが起こる場合があります。ArtlistのClearlistなどの登録方法、素材のライセンス証明書、問い合わせ窓口を確認しておきましょう。TikTok上でArtlistの音楽を長く流す場合のミュートリスクについても、公式ガイドで注意されています。


「購入済みだから著作権の申し立ては絶対に起きない」「契約すれば全企業・全媒体に無制限で使える」とは限りません。契約名、使用主体、広告配信、公開時期、TikTokでの楽曲尺、Clearlist登録を個別に確認してください。
Artlistの案件向けプランを確認 ※Socialは企業・受託制作向けではありません。Business等の適用条件も公式ページで確認してください。

企業規模・投稿先で音楽の入手方法を選ぶ

広告や案件がない小規模事業者にも、必ずサブスクをすすめるわけではありません。投稿本数と配信先で変わります。

用途別のBGM選定

企業の運用パターンまず検討する方法判断理由
TikTokのみで単発投稿CML無料で商用利用の候補がある
TikTokとリールの2媒体媒体ごとの公式曲または横断許諾曲統一感と再編集工数を比較
3媒体で毎月配信横断ライセンスのある音源共通マスターで運用しやすい
広告代理店が顧客に納品ArtlistはMax Business等代理店向け必須契約を照合
50人超企業・合計50人超グループArtlistはMax Business等標準Proだけで足りると判断しない

おすすめは運用目的を基準にした編集部の判断です。実際の許諾は楽曲・プランで確認してください。

単発投稿でCMLが十分なら、そのまま無料で進めればよいでしょう。反対に、1本の動画を3媒体へ毎週配信するなら、毎回別のBGMを探す時間、差し替えの手間、ブランドの音の統一感を比べてください。音源代の大小だけでなく、社内運用に何時間使うかが判断材料になります。

筆者
ホイポイマン
EDITOR'S NOTE

複数SNSを担当する人ほど「TikTokだけで使う」と早い段階で決めつけない方がよいと思います。TikTok用に音を完成させてからInstagramへ移すより、配信先を先に決め、使える音源を編集工程へ戻す方がチームで引き継ぎやすくなります。

マルチプラットフォーム向け動画の制作手順

制作担当が交代しても再利用できるように、動画と権利の情報を一緒に管理しましょう。

  1. 公開予定の場所を列挙する 企画時

    TikTok・Instagram・YouTube・自社サイト・有料広告・顧客アカウントを整理します。

  2. BGM・効果音の許諾を先に選ぶ 編集前

    企業規模、契約主体、広告・納品、利用開始日、媒体、必要な曲の長さを確認します。

  3. 音楽とナレーションを編集する 制作時

    共通BGM入りマスターと、音楽を外した差し替え用マスターを別々に保存します。

  4. 媒体別の書き出しを確認する 公開前

    字幕の表示領域、音量、曲の開始位置、掲載地域、広告設定を確認します。

  5. 証拠と版を保存する 公開前

    曲名、契約プラン、ライセンス、ダウンロード記録、動画ファイルの版を残します。

  6. 各SNSで公開後の挙動を確認する 公開後

    音が出るか、権利通知がないか、予定どおり広告を配信できるかを確認します。

同じ案件フォルダ内で、動画の版、使用した音源、許諾の記録を音源の識別子で結び付ける保存構造図。

画角・字幕・セーフエリアは縦型広告テンプレートの選び方で詳しく扱っています。ライセンスを取った音源を使う場合は、Artlistの著作権と商用利用条件も参考にしてください。

投稿後に音楽が消えたときの対処法

すでにTikTok動画が無音になったら、まず「権利上の制限」なのか「元動画に音が入っていないなどの技術的な問題」なのかを分けてください。

元ファイルを再生して音が出るか確認し、出ない場合は書き出しと音量、出る場合は投稿側の通知を調べる分岐図。

  1. 投稿の通知内容を見る 発見直後

    ミュートされた動画の「詳細を見る」から削除理由を確認します。

  2. 音源とライセンスを照合する 原因確認

    曲名、ダウンロード日、公開日、許諾範囲、申立人を調べます。

  3. 正当な権利があれば申し立てに対応する 必要な場合

    利用証明を添えてプラットフォームの異議申立てや音源提供元へ相談します。

  4. 権利不明なら音源を交換する 再公開前

    TikTokの「楽曲を変更」等の案内に従い、許諾のある音楽に差し替えます。

音源の交換は各動画に適用される操作です。同じ音源を使った投稿が複数ある場合は、個々の投稿を確認する必要があります。TikTokのミュートされた動画の楽曲変更方法を参考にしてください。


商用音源を購入していても、機械的な著作権照合で誤って申し立てが出ることがあります。利用証明がある場合は、無断使用と決めつけて公開停止する前に申立内容と事実を照合してください。解決までの期間や結果は保証されません。

企業のTikTok BGMでよくある質問

想定する投稿先と、まだ決まっていない広告・納品の予定を分けて記録する方法がおすすめです。音源の許諾と照合できるまで、完成版の選曲を確定させない方が手戻りを抑えやすくなります。
まず制作担当者や契約の管理者に、曲名・契約名義・取得時の記録の所在を確認します。編集上の判断として、許諾の範囲が分かるまでは、新しい媒体や広告への転用を進めないことをおすすめします。

まとめ:運用する媒体から先にBGMを決める

TikTokだけを使う企業なら、まず無料の商用楽曲ライブラリを試すのが合理的です。著作権の確認を省かず、許諾のある曲を選んでください。権利のない曲を使うと、音声が消えたりブランド案件の公開が止まったりする場合があります。

InstagramリールやYouTube Shortsでも同じ動画を展開するなら、TikTokの音楽を後付けして完成させる運用だけに依存しない方が便利です。適切な商用ライセンスを取得した音楽でBGM入りマスターを制作し、配信先・契約・証明書をチームで管理する方法をおすすめします。Artlistなどを検討するときは、個人向けと法人・受託制作向けのプランを取り違えないでください。

Artlistで使えるBGMを探す ※TikTok・Instagram・YouTubeでの利用と、広告・顧客案件の契約範囲を公式で確認してください。
ホイポイマン
Hoipoi編集部
音楽制作・動画マーケティング編集部
監修者情報

楽曲制作・マスタリング・音楽サブスクを編集部にて実機検証。クリエイター向けの実践的な情報を2020年から発信中

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