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CFexpressの種類は「Type A・B・C」の3種類
通信速度の速さが魅力の「CFexpressカード」には、3つの種類があります。
それぞれ「Type A」「Type B」「Type C」という名称で、使用機器によって対応しているタイプが異なるので、注意が必要です。
以下の項目では、CFexpressカードの種類と違いについて詳しく解説します。
Type A:SONYカメラの多くが対応しているタイプ
CFexpress Type A は、SONYカメラの多くが対応しているタイプです。
α1やα7S III〜Vのようなフルサイズ一眼レフカメラのほか、FX6やFX3のようなシネマラインカメラでも使用できます。
CFexpress Type Aの場合、スロットをSDカードと共有できるのが大きなメリットです。
またType AやSDカードよりも小型なので、持ち運びしやすい点も魅力です。
- α1
- α7S III
- α7 IV
- α7R V
- FX6
- FX3
- FX30
参考リンク:https://www.sony.jp/rec-media/products/CEA-G/
Type B:SONY以外のカメラで多く採用されているタイプ
Nikon・Canon・Panasonicなど多くのカメラメーカーがType Bを採用しています。
Type Bの利点は、読み込み・書き込み速度がType Aよりも速い点です。
Type | Type A | Type B |
読み込み速度 | 800MB/s | 1700MB/s |
書き込み速度 | 700MB/s | 1480MB/s |
Type Aに比べてType Bは約2倍程度読み込み・書き込み速度が速いです。
またSONY以外のカメラの多くはType Bを採用しているため、使用機器の選択肢が広いのも利点です。
4KであればType Aでも全く問題ありませんが、8Kを120pで撮影する場合はType Bがおすすめです。
Type C:業務用カメラでの使用を想定したタイプ
CFexpress Type Cは、業務用ビデオカメラでの使用を想定して開発されたタイプです。
CFexpressカードとしては最も大きいタイプですが、規格として存在するだけで、まだ販売はされていません。
昨今は8K対応の業務用小型カメラも増えてきましたが、対応メモリーカードはSDカードが主流です。
今後Type Cカードの開発が進めば、8K対応カメラにType Cスロットが搭載されるかもしれません。
Type AとType Bの違い
CFexpress Type AとType Bの違いは、サイズ・対応製品・通信速度です。
Type AとType Bではサイズが大きく異なり、Type Bのほうがタテヨコ1mmほど大きくなっています。
そして対応製品で見ると、Type AはSONYのカメラ、Type BはSONY以外のカメラが主流です。
通信速度に関してはType Bのほうが速く、Type Aは最高速度(理論値)が1,000MB/秒なのに対して、Type Bは2,000MB/秒となっています。
CFexpressの注意点
CFexpressカードは通信速度が速く便利なメモリーカードですが、使用に際してはいくつかの注意点があります。
以下では、CFexpressカードを利用する際の注意点を2つ紹介します。
Type AとType Bで対応している機器が違う
Type AとType Bは見た目がよく似ていますが、対応製品が異なります。
使用機器が対応していないタイプを購入しないように、注意が必要です。
「Type A」「Type B」などと検索をしても、別のタイプが検索結果に含まれるケースもあります。
CFexpressは高価な製品も多いので、購入の際は必ずタイプを確認するようにしましょう。
CFexpressカードリーダーの注意点
CFexpressカードは、使用するカードリーダーによっては性能をフルに発揮しきれない可能性があります。
カードリーダーの通信性能よりもCFexpressカードの通信性能が上回ってしまうケースが少なくないのです。
そのため、カードリーダーを購入する際は、できる限り高速で通信できるものを選択しましょう。
またCFexpress Type BはXQDカードと形状が共通で、同じカードリーダーを使用できます。
Type Bカードのカードリーダーを探している方で、XQDカードリーダーをお持ちの方は、まずお手持ちの製品が対応していないか確認しましょう。
CFexpressカードを使用するメリット
CFexpressカードは、通信速度が速く作業を大幅に効率化できる優れたメモリーカードです。
撮影時の読み込みが速いのはもちろん、PCにデータを転送する際も短時間で転送作業を終えられます。
以下では、CFexpressカードを使用するメリットを詳しく解説します。
書き込み速度・読み込み速度が速いので超高速連写や4K・8K撮影が可能
SDカード | 最高書き込み速度:250MB/秒 |
CFexpress Type A | 最高書き込み速度:700MB/秒前後 |
CFexpress Type B | 最高書き込み速度:1,500MB/秒前後 |
超高速連写や4K・8K撮影をする場合、メモリーカードにどれだけ速くデータを書き込めるかがとても大切です。
CFexpressカードの場合、Type Aは700MB/秒前後、Type Bは1,500MB/秒前後の高速書き込みに対応しています。
SDカードの場合は250MB/秒ほどなので、いかにCFexpressカードの書き込み性能が高速かが分かります。
CFexpressカードのように高速でデータを書き込めると、連写速度が落ちにくく、連写が止まっても復帰が速くなります。
また、4Kや8Kの撮影もスムーズに行えます。
PCがデータを読み込む速度が速い
SDカード | 最高読込速度:300MB/秒 |
CFexpress Type A | 最高読込速度:800MB/秒前後 |
CFexpress Type B | 最高読込速度:1,700MB/秒前後 |
CFexpressカードはデータを読み込む速度も高速です。
Type Aは800MB/秒前後、Type Bは1,700MB/秒前後の速度でデータ読み込みができます。
データの読み込みが高速だと、PCにデータを転送する時間が短縮できるのが魅力です。
CFexpressカードとSDカードの比較
CFexpressカードを購入する場合「今まで使っていたSDカードと比べてどうか」という点が気になるでしょう。
CFexpressカードとSDカードでは、前述した通信速度のほかに、価格やサイズなどでも大きな違いがあります。
この後の項目では、CFexpressカードとSDカードの価格や運搬性能などを比較していきます。
SDカードに比べて価格が高い
SDカード(128GB) | 3,000〜10,000円 |
CFexpressカード(128GB) | 20,000円前 |
CFexpressカードは、SDカードに比べて価格相場が高い傾向にあります。
開発されてから時間が経ったため、低価格なCFexpressカードも出現してきましたが、それでもSDカードよりは高額です。
例えば128GBの場合、CFexpressカードは3,000〜10,000円ほどで購入できますが、CFexpressカードの場合は20,000円前後が相場です。
容量に関わらず、SDカードより5〜10倍ほど値段が高額なので、購入の際は注意しましょう。
SDカードよりもサイズが大きい
種類 | サイズ |
SDカード | 24.0mm × 32.0mm × 2.1mm |
CFexpress Type A | 20.0mm × 28.0mm × 2.8mm |
CFexpress Type B | 29.8mm × 38.5mm × 3.8mm |
CFexpress Type BはSDカードよりもサイズが大きく、かさばるのも注意ポイントです。
SDカードは24mm × 32mmなのに対して、Type Bは29.8mm × 38.5mmと大きく厚みもあるため、運搬時は今までより大きなポーチが必要です。
Type Aの場合はSDカードよりも小型ですが、厚みは増すので、やはりかさばる印象を持つかもしれません。
メモリーカードを複数枚持ち歩く方であれば、運搬時のことも考えたうえで購入しましょう。
CFexpressカードの選び方
CFexpressカードはさまざまなメーカーが販売しているため、どれが良いか迷ってしまうでしょう。
そこで、以下の項目ではCFexpressカードを選ぶ際のポイントを2つ紹介します。
これからCFexpressカードを購入しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
自分の用途を明確にする
CFexpressカードを購入する際は、まず自分の用途を明確にしましょう。
用途によって、必要となる性能は大きく異なります。
例えば、長時間撮影や連写をよくする方であれば、容量は325GB〜1TBほどの大容量のものがおすすめです。
一方、趣味程度で使用する方や、一度に大量のデータを保存する必要がない方であれば、64〜128GB程度でも問題ないでしょう。
また、最低通信速度もそこまで速くなくて問題ないかもしれません。
このように、自分の用途を明確にすることで、最適なCFexpressカードを選択できるようになります。
通信速度で比較する
CFexpressカードは、製品によって通信速度が異なります。
最大書き込み・最大読み出し・最低持続速度などがスペック欄に記載されているので、同価格帯で悩んだ場合は速度の速いものを選択するようにしましょう。
特に注意したいのは、最低持続速度です。
最高速度がどれだけ速い製品でも、発熱などによって速度が落ちやすく、最高速度とはほど遠い速度しか出ない製品もあります。
最低持続速度は「これよりは遅くなりません」という速度なので、この数値を確認しておくと、どのくらいのパフォーマンスが出せる製品なのかが分かりやすいのです。
CFexpressカードの人気メーカー4選
ここからは、CFexpressカードを販売している主要メーカー4社を紹介します。
メーカーによって特徴が異なるので、比較する際の参考にもなる内容です。
いくつかの製品で悩んでいるという方は、以下の項目をご覧ください。
SONY:カメラメーカー純正の高品質さが魅力
SONYは、αシリーズやFXシリーズをはじめとした高性能カメラを多数販売しているメーカーです。
4K・8Kの分野でも最先端をいくメーカーで、高画質動画の撮影ならSONYのカメラと考える方も多くいるでしょう。
そんなSONYのCFexpressカードは、カメラメーカー純正らしい高品質さが魅力です。
発熱による性能低下や故障が少ないといった評判が多く、安定して高いパフォーマンスを発揮してくれます。
プロの現場などでトラブルが許されない方は、SONY性のCFexpressカードが安心です。
ProGrade Digital:世界同一価格・同一保証で安心
ProGrade Digitalは、価格や保証などの面がとても誠実なメーカーです。
世界同一価格でも販売を行っており、どの世界でも同じ価格で購入できます。
また世界同一保証として、世界のどこでも同じ保証を受けられるのも魅力です。
海外での撮影が多い方であれば、ProGrade Digitalの製品がおすすめです。
SanDisk:種類が豊富な業界トップシェアメーカー
SanDiskは、業界トップシェアを誇るメモリーカードメーカーです。
SDカードも含めて製品ラインナップがとても幅広く、価格が安いです。
価格も高すぎず購入しやすいので、使いたい容量が明確に決まっている方や、メーカーの信頼度を重視する方、高額すぎないものをお探しの方にはおすすめです。
SUNEAST:高コスパ製品を作る新進気鋭のメーカー
SUNEASTは、比較的新しい国内初のメモリーカードメーカーです。
そのコストパフォーマンスの高さと、性能の良さが認められ、昨今人気が上昇しています。
SUNEASTは2TBの製品もあるほど、プログレードの製品に力を入れているメーカーです。
ハイスペックなメモリーカードを求める方や、日本のメーカーにこだわる方、コスパの良さを重視したい方におすすめできます。
おすすめのCFexpressカード
CFexpressカードの選び方やメーカーの特徴を見てきましたが、ここからは具体的におすすめのカードを紹介します。
- 価格重視
- 4K撮影
- 容量の多さ
- プロ向け
- Type A製品
【価格】コスパ最強なCFexpressカード
価格の安さを重視したい方や、コストパフォーマンスの良い製品をお探しの方は「SUNEAST ULTIMATE PRO/CFexpress Type Bカード (128GB)」がおすすめです。
128GBと4K撮影でも安心して使用できる容量でありながら、2万円弱の価格で購入できます。
さらに容量が少ないものもありますが、どのような用途でも扱えるものと考えると、128GBの製品がベターです。
また容量にゆとりがあると、容量がいっぱいで撮影できないといったトラブルも少なく、安心して撮影できます。
【4K撮影】におすすめのCFexpressカード
4K撮影をメインで行う方は「GOLD 1700R」がおすすめです。
256GBの容量であれば、約7時間の4K動画撮影が可能です。
ProGrade Digitalは、「世界同一価格・同一保証」が魅力で、プロの方でも安心して利用することが出来ます。
趣味の方からプロカメラマンまで、おすすめのCFexpressカードです。
【最大容量】長時間撮影におすすめのCFexpressカード
とにかく容量が大きなものが良いという方は「SUNEAST ULTIMATE PRO/CFexpress Type Bカード (1TB)」がおすすめです。
業界トップクラスの2TBで、8Kの撮影をする際でも安心感があります。
値段は10万円前後で比較的高額ではありますが、2TBの容量を考えるとむしろコスパが良い製品です。
【プロカメラマン】におすすめのCFexpressカード
プロカメラマンの方には「SONY/CFexpress Type B メモリーカード 512GB」をおすすめします。
カメラメーカー純正品のため動作の安定度が高く、どんな環境でも心強い製品です。
容量は512GBで、さきほどの2TBに比べれば少ないものの、通常使用の範囲であれば十分です。
価格は70,000〜80,000円と相場より若干高いですが、その分安定性や信頼度が高い製品です。
【TypeA】SONYのαシリーズにおすすめのCFexpressカード
Type A対応のカメラをお使いの方には「SONY/CEA-G160T TOUGH 160GB」がおすすめです。
「TOUGH」シリーズは耐久性が高く、落下強度7.5m、防塵防水性能はIP57と非常に高い性能を誇ります。
海や山など過酷な環境下で使用される方でも、安心して利用できるCFexpressカードです。
おすすめのCFexpressカードリーダー
USB3.2Gen2を採用しているため、通信速度が高速で快適に使用できます。
CFexpressカードを作るメーカーらしい安定した性能も、この製品の魅力です。
価格は12,834円ほどと安くはありませんが、より安価な製品はPCとの相性や安定性で不具合が目立ちます。
長期にわたって快適に使用したい方は、保証もしっかりとしているProGrade Digitalの製品がおすすめです。